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HP「北陸の私鉄」今日の壁紙

射水市黒河の富山県民公園太閤山ランドの紫陽花 2025/06/13 撮影
1920 X 1080
  

今日の列車(デジタルカメラ黎明期の加越能鉄道万葉線)


米島口駅を発車した7074越ノ潟行き 1998/10/03 撮影
1920 X 1080

 

今日のダム湖 

富山県朝日町山崎にある県営朝日小川ダム湖 左岸展望台から右岸阿造谷橋
2012/06/03 撮影
1920 X 1080


今日の植物

射水市黒河の梨畑の梨の花 2016/04/15 撮影
1920 X 1080

トロリーバス、無傷で運搬 日本総合リサイクルと
細川建材運輸、経験とノウハウ生かす
2025年7月8日  05:00
 富 7月3日に始まったトロリーバスの運搬。車体を後世に残す可能性を
視野に、立山・室堂から高岡市内まで無傷で運ぶことが条件になった。難し
い作業ではあるものの、県内企業の経験とノウハウが実現可能にした。
(飯田章太郎)

 トロリーバス6台を買い受けたのは、大型バスや電車の車体の解体実績を
持つ日本総合リサイクル(高岡市伏木、高倉康氏社長)。全て解体し資源と
してリサイクルする予定だが、国内最後の車両を「保存したい」という団体
や企業が現れた場合に対応するため、運行会社の立山黒部貫光(富山市桜町、
見角要社長)から「うち2台は無傷で」との依頼を受けた。

 トロリーバスは「バス」ではなく電車扱いのため、公道を走ることができ
ず、トレーラーで運搬しなければならない。このため車体が傷付く恐れがあ
る主な作業は、出発時と到着時の積み降ろしになる。

 全長11m、重さ13トンになる車体をクレーンでつり上げ、バランスを
崩すことなくトレーラーに積載するには熟練の技術が必要。日本総合リサイ
クルは、重機の運搬などで経験とノウハウを持つ細川建材運輸(高岡市福岡
町三日市、細川治之社長)に依頼した。

 両社は2024年にもコンビを組み、先行して2台のトロリーバスを解体
工場に運んだ。この時は車体にひもを引っかけてつり上げる方法を採用した
が、タイヤの周囲を覆う「フェンダー」と呼ばれる部品が破損した。その経
験から、今回は車体に傷が付かないよう車輪部分にフックをかけ、積み込む
方法を採用した。

 計6台のトロリーバスを7月上旬をめどに分けて運ぶ。無傷での運搬は期
間の後半に予定しており、3日は3台を運ぶのに新しい運搬方法を試した。
トレーラーは7時に室堂に到着。計算結果に基づき、トロリーバスの車体に
フックを引っかけるポイントを決めて慎重につり上げ、無事積み込んだ。

 運搬のため今回使用するトレーラーは、夜間しか通行できない特殊車両。
16時半に室堂を出発し、夜道を進みながら、22時半ごろに伏木に着いた。

 トロリーバスを降ろす作業は朝を待って始まり、日本総合リサイクルの技
術者が担当した。フォークリフトで車体を持ち上げて地面へ。車体のどの部
分を持ち上げるかが重要となるが、長年の業務経験を持ち、強度のある部分
を熟知したオペレーターが慎重にリフトを操作し、車体を無傷で降ろすこと
に成功した。

 日本総合リサイクル大型車両部の東海巧主任は「今回の成功を支えたのは
技術の結晶。今後の本番への道筋が付いた」とほっとした表情を見せた。

 トロリーバスは12月まで工場に置き、保存の動きがなければ解体する。

トロリーバス
 架線から取り込んだ電気で走るバス型の車両で、鉄道事業法では鉄道の一
つ「無軌条電車」に区分される。立山黒部アルペンルートでは1996年に
運行が開始され、国内唯一のトロリーバスとして室堂−大観峰のうち立山ト
ンネルの3.7km区間を走った。交換部品の調達が難しくなり立山黒部貫光
が2024年11月で運行を取りやめ、2025年シーズンから電気バスに
切り替えた。

トレーラーで日本総合リサイクルまで運ばれたトロリーバス
=高岡市伏木、3日23時ごろ


トレーラーから降ろされるトロリーバス=高岡市伏木、4日9時ごろ
記事・画像:北日本新聞から


営業運転中のトロリーバス  室堂ターミナル


2025年4月から運行開始した電気バス 室堂ターミナル前での展示