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射水市黒河の富山県民公園太閤山ランドの紫陽花 2025/06/13 撮影
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今日の列車(デジタルカメラ黎明期の加越能鉄道万葉線)

新町口駅を発車した7062高岡駅前行き 1998/12/28 撮影
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富山県営朝日小川ダム湖 右岸から堰堤 2012/06/03 撮影
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富山県朝日町境、仁王山 護國寺のシャクナゲ 2016/04/25 撮影
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ペニシリン系抗菌薬原薬を国産化へ 富士フイルム富山
化学が工場起工式、総投資額100億円
2025年7月18日 23:51
富士フイルム富山化学(東京、佐藤充宏社長)は、富山第一工場(富山市
下奥井)に、肺炎をはじめとする細菌感染症の治療に使われる「ペニシリン
系抗菌薬」の原薬を製造する工場を建設する。原薬はほぼ100%を海外か
らの輸入に依存しているため、有事に備えて国産化を図る。倉庫なども含め
た総投資額は約100億円。起工式が7月18日、現地で開かれた。
ペニシリン系を含む「ベータラクタム系」の抗菌薬は、原材料や原薬のほ
とんどを中国など海外から輸入している。2019年に中国での製造トラブ
ルが原因で一部品目の供給が滞った際は、日本国内の多くの病院で抗菌薬不
足から手術の延期を余儀なくされるなどの影響があった。安定供給のため、
国は国産化に向けた取り組みを進めている。
富士フイルム富山化学は23年、「Meiji Seika ファルマ」
(東京)、大塚化学(大阪)とともに、ペニシリン系の国産化を担う事業者
として国から認定を受けた。富士フイルム富山化学は「アンピシリン水和物」
と呼ばれる中間体と、「ピペラシリン水和物」と呼ばれる原薬の製造を手が
ける。
新たに建設するのはアンピシリン水和物を製造する工場で、地上4階建て、
延べ床面積約1500平方メートル。反応釜などを導入し、26年の完成、
28年の供給開始を目指す。既に製造実績があるピペラシリン水和物は既存
工場を改修して生産能力を引き上げる。原薬を保管する倉庫も新設する。
万が一、海外からの供給が途絶えた場合に、国内で必要な全量を富山市の
工場で賄えるようにする。
起工式に先立ち、報道各社の取材に答えた佐藤社長は、「安定供給と経済安
全保障の観点でとても重要な国の施策。しっかりと使命を果たしていきたい」
と強調した。
建設費には国の補助金を活用する。補助額は非公表。起工式は、富士フイ
ルム富山化学や建設会社、自治体などの関係者ら約50人が工事の安全を祈
願した。
<解説>長年の実績買われ認定 コスト低減が課題
日本のメーカーは長年、採算が合わないことから、「ベータラクタム系」
抗菌薬の原材料や原薬の生産を敬遠してきた。製造工程の複雑さや周辺環境
への配慮、他の医薬品とラインを共有できないことなどから製造コストは高
い。
中国での製造トラブルに端を発する供給不安などを受け、国は2022年、
抗菌薬を安全保障に重要な「特定重要物資」の一つに指定。海外依存の脱却
に向け、原材料や原薬の製造を担える企業を募り、設備導入の支援に乗り出
した。
富士フイルム富山化学は富山化学工業時代の1980年、ペニシリン系抗
菌薬のうちの1成分を国内で初めて発売した。抗菌薬の開発や製造の豊富な
経験を買われ、国のプロジェクトへの参画が決まった形だ。
ただ、大規模に低コストで生産できる中国産との価格差は大きい。「平時」
は廉価な中国産の輸入を継続しながら、国内で一定量を安定的に製造するこ
とに取り組む見通しだ。佐藤社長は「富士フイルムグループ全体のさまざま
な製品の製造ノウハウを取り込み、段階的にコストダウンを図っていく」と
説明した。
富山で生産設備を完成させた後は、国や関係企業と連携しながら安定的に
供給を続けられる体制づくりが求められる。(村田美七海)

抗菌薬原薬の国産化の意義を語る佐藤社長=7月18日、富士フイルム富山
学富山第一工場

富士フイルム富山化学が富山第一工場に建設する抗菌薬原薬工場のイメージ

応釜などを備えた原薬工場のイメージ
記事・画像:北日本新聞から

富士フイルム富山化学が富山第一工場 画像:GoogleMapから

富山港線下奥井駅花壇から富士フイルム富山化学が富山第一工場

富山港線下奥井駅花壇の紫蘭(シラン)