2025/08/24(日)13:00 更新時天気  晴れ 気温 34.7℃
 

HP「北陸の私鉄」今日の壁紙

あいの風とやま鉄道富山駅を通過する高岡貨物駅行き列車
2025/06/05 撮影
1920 X 1080
  

今日の列車(デジタルカメラ黎明期の富山地方鉄道)


越中荏原−越中三郷間を走る10041+10042寺田経由立山行き
1999/04/29 撮影
1920 X 1080

 

今日のダム湖 庄川用水合口ダム 舟戸湖
庄川本流最下流にあり堰堤の庄川合口堰堤は小牧ダムと供に国の登録文化財
に指定されている。左岸は富山県砺波市庄川町金屋で庄川水記念公園になっ
ている。右岸は砺波市庄川町庄で湖岸から林道まで約400m離れており、
金屋石の石切場跡の一部が見える以外人工物は無く、時々カモシカが現れる。
ダムは発電を行う関西電力が管理している。

旧二万七千石用水跡のイロハモミジ 2013/06/25 撮影
1920 X 1080


今日の植物

富山県朝日町境、仁王山 護國寺のツツジ 2016/04/25 撮影
1920 X 1080


入善町 海洋深層水取水施設、「生命線」早期復旧へ新管
企業 設備投資に意欲
2025年8月24日  05:00
 入善町は、能登半島地震で被災した「海洋深層水取水施設」(同町下飯野)
の新設復旧を急いでいる。過去の新設時は約3年を要したが、2年弱で新た
な海底取水管を敷設するめどが立った。周辺の利用企業も復旧を見据え設備
投資を進めている。今後はさらに事業者を呼び込む方策や、企業集積を地域
活性化につなげる一手が焦点になる。(石川雅浩)

 入善町が深層水事業を開始したのは2001年。沖合3km、水深384
mから取る水は低温安定性や富栄養性に優れ、農業中心だった町の産業構造
を変えた。2009年に進出したパックご飯製造のウーケは、工場内の冷却
に2度前後と冷たい深層水を活用。熱交換で14度前後に温められた深層水
は、カキの浄化やサクラマスの陸上養殖など水産分野で2次利用されている。

 町は2022年度に2本目の取水管を整備したが、完成目前で地震に伴う
海底地滑りに遭い、水深220mで管がねじれて閉塞(へいそく)した。既
設管も破断し、2本とも修復不可能となった。利用企業の事業がストップし
かねない事態だった。

 町は被災から3カ月後に国内初の試みで海底の閉塞箇所を切断。応急的に
従来より高温の深層水のくみ上げに成功した。その後、取水管2本を新たに
設ける復旧事業を推し進めた。2024年7月から陸上ポンプ所の建設や敷
設する取水管の製作を進め、今年12月に完成する見通しだ。

 ウーケの花畑佳史社長(56)は「冷たい深層水があってこその事業。被
災から間もなく新設を決めた判断に感謝している」と語る。同社は復旧事業
と歩調を合わせて第4工場の建設に着手。来春に完成予定で、全体で年間1
億6千万食の生産能力確保を目指す。

 2027年春をめどに施設の増設を計画するのは海洋深層水かきセンター。
浄化したカキを全国600店に出荷しており、国内外の需要拡大に対応する。
今年7月には町の補助を受け隣接の直営レストランを増築した。

 2年後には三菱商事とマルハニチロが手がけるサーモン陸上養殖事業も始
まる。今後は事業者のさらなる誘致に加え、企業集積を地域活性化につなげ
られるかも課題だ。かきセンターの津久井研悟社長(52)は「企業同士も
連携し、取り組みや商品をPRできればいい」と話している。

2.9億円に負担抑制
 海洋深層水取水施設の新設復旧工事の総事業費は29億7000万円。2
025年度当初予算の一般会計総額が114億8020万円の町にとっては
大規模な投資だが、国の補助を活用して実質的な負担が約2億9000万円
になると試算する。

 事業では水産庁から7億5125万円、内閣府から6億8875万円を受
け、残りは交付税措置のある災害復旧事業債などを充当。負担額を大幅に抑
えた。

 議会には財政の圧迫を懸念する声もあるが、町側は償還が始まる2028
年度以降に実質公債費比率が1ポイント程度上がると試算しつつ、他の大規
模事業の償還が順次終了するため「行政サービスの縮小につながる恐れはな
いと考える」としている。

<首長語る>活用 全国の先頭に
 海洋深層水と黒部川扇状地の地下水に恵まれた環境は、町の生命線と言え
る地域資源だ。取水開始から25年間、企業誘致や特産品開発で果たした役
割は大きい。

 地震による損壊は想定外だった。ただ、復旧を諦めるという選択肢はなか
った。財源確保のため、地元選出の国会議員や県議らと連携して補助金の要
望に回り、2年弱での早期復旧に道筋を付けた。

 取水管敷設のルート選定で、漁業関係者から全面協力を得られたのも、工
事を早く進められる要因の一つになっている。

 安定的な漁獲量の確保に向け、陸上養殖の需要は今後ますます拡大するだ
ろう。町が深層水の利活用分野で全国の先頭に立てるようPRに努める。

深層水の取水設備や利用企業が並ぶ海岸エリア。建設中の取水施設(右)
から海へ取水管を延ばす=入善町下飯野


ウーケ第4工場(手前)の完成パース図
記事・画像:北日本新聞から



左から 牡蠣ノ星工場・牡蠣ノ星レストラン・入善海洋深層水活用施設


ウーケ富山入善工場 右側に新工場建設中