2025/09/27(土)
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HP「北陸の私鉄」今日の壁紙

富山地方鉄道富山市内軌道線の富山大学前に停車中の7019南富山駅前行き
2025/09/13 撮影
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今日の列車(デジタルカメラ黎明期の加越能鉄道万葉線)

高岡軌道線米島口車庫の7051、7071、5022除雪車 2000/02/19 撮影
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今日のダム湖

国土交通省宇奈月ダムうなづき湖 2014/05/02 撮影
うなづき湖第二展望広場から新柳河原発電所と柳橋駅
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今日の植物

石川県珠洲市狼煙町の禄剛埼灯台付近に咲くキリ(桐)2016/05/15 撮影
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“脱制帽”で乗務員快適 県内鉄道各社、国規則改正で
熱中症対策
2025年9月27日 05:00
県内の鉄道事業者の間で、乗務員が制帽を着用せず業務に当たる取り組み
が広がっている。熱中症予防を目的に今夏から始まり、11月末まで続ける
ところもある。国の規則改正で職場の熱中症対策が義務付けられ、同様の対
応は全国で拡大。運転士や車掌からは「業務に集中できる」と好評だ。
(野村達也)
「よしっ」。9月上旬、あいの風とやま鉄道富山駅で、車掌の袈裟丸(け
さまる)駿さん(22)がホームを指さし、安全確認した。制帽はかぶらず、
「涼しくて快適に仕事ができる」と声を弾ませる。
あいの風鉄道は7月下旬から、運転士と車掌約100人に対し、必要に応
じて制帽を脱いでも良いことにした。
従来は社員から「暑い」「蒸れる」といった声が相次いでいた。列車の運
行中に車掌が待機する乗務員室と運転席は空調設備がない。乗客スペースか
ら冷風を取り込むものの、ガラス張りで直射日光を受けやすく、熱がこもり
やすいという。乗務員は一度列車に乗ると最長で3時間ほど降りられず、体
調が悪くなってもすぐに交代しづらい事情もあった。
6月には改正労働安全衛生規則が施行され、国が事業者に職場の熱中症対
策を罰則付きで義務付けたことも、今回の取り組みを後押しした。制帽着用
を本人に委ねる対応は10月末まで続け、来年以降は毎年5月から行う。中
島広司運輸部担当部長は「駅で働く社員にも着帽の省略を検討していきたい」
と話す。
富山地方鉄道も7月上旬から、鉄道線やバスの運転士の脱帽を認めている。
「運転に集中しやすい」などと好評で、11月末まで実施する。当初は見た
目や規律の面で懸念があったが、総務課は「今のところ乗客から困惑の声は
聞いていない」とする。今後、他社で適用が進む、直射日光によるまぶしさ
を軽減するサングラスの着用の許可も視野に入れる。
同様の動きは全国で広がる。県内を営業エリアに含むJR西日本は、昨年
8月から乗務員と駅係員が状況に応じて制帽をかぶらないことを認めた。
JR九州、四国も同時期に始めたほか、関西大手の京阪電気鉄道や南海電
気鉄道は今夏から導入している。

(左)ホームの安全を確認する袈裟丸さん。今夏から制帽をかぶっていない
=あいの風とやま鉄道富山駅
(右)制帽を着用せず、業務に当たる富山地鉄鉄道線の運転士=電鉄富山駅
記事・画像:北日本新聞から