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HP「北陸の私鉄」今日の壁紙

富山市内軌道線丸の内駅を発車した0605環状線 2025/10/12 撮影
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今日の列車 富山地方鉄道富山市内軌道線


地鉄ビル前駅に停車中のT103南富山駅前行き 2019/10/23 撮影
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今日の動物

上越市高田城址公園の鯉 2023/03/30 撮影
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今日の植物

富山県中央植物園の雲南植物園のヤナギイチゴ 2016/05/21 撮影
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<地鉄の行方>(6)立山線(下)
運行形態、議論の焦点 県が経済効果公表へ
2025年11月6日  05:00
 「立山線は立山黒部アルペンルートへのアクセスとして大変重要。存続に
より、観光振興と地域活性化の両方を進めていきたい」

 9月1日、一部廃線の可能性が浮上している富山地方鉄道立山線の在り方
を検討する分科会で、新田八朗知事が路線存続への意欲を示した。

 年間約10万人が観光目的で利用する立山線について県は、地元観光団体
などと共に誘客に力を入れることで、収益改善につながる余地があるとみる。
知事が会合で提案したのは、官民一体でのプロモーション強化と、運賃引き
上げの二つ。電鉄富山駅から立山駅の普通運賃は片道1420円のため、仮
に利用客を1割増やせば年間1千万円超の増収を見込める。

 財政支援の規模など具体策は示さなかったものの、県が積極的に取り組む
姿勢を明らかにした格好。沿線自治体の舟橋貴之立山町長は「一歩踏み込ん
だ提案で心強い」と感謝した。

 立山町は、支援の議論を進める上での基礎資料とするため、利用実態調査
の結果の取りまとめを急ぐ。路線を存続させた上で、2027年度にも国の
支援を受ける形での再構築事業に着手したいとの考え。舟橋町長は「調査結
果を基にした議論が始まる11月が大きなヤマ場になる」と見通す。

 国の認定を受けるには、前年の2026年度中に事業計画を策定しなけれ
ばならない。議論の焦点になるとみられるのが運行形態。ある県関係者は、
自治体が設備の維持管理費を負担する「みなし上下分離方式」を候補の一つ
に挙げる。

 この方式であれば、設備の所有権を自治体などに移す必要がなく、より短
期間で支援を始められると指摘。「調査結果や今後の議論次第ではあるが
『みなし』を中心に話が進むのではないか」とみる。

 どの運行形態にするにしても公費投入が必要で、県は県民の理解を得るた
め、路線存続による経済波及効果の試算を11月の分科会で公表する方針だ。
富山地鉄の社外取締役を務める蔵堀祐一副知事は「広域的な視点から路線存
続の意義を伝えたい。富山市内の宿泊業者や飲食店をはじめ、多くの事業者
が恩恵を受けているはずだ」と言う。

 9月の新田知事の提案はあくまで、路線の持続可能性を高めるための施策
にすぎず、富山地鉄側は、行政側から年内に具体的な支援策が示されない限
り「2026年11月で廃線にする」とのスタンス。中田邦彦社長は知事の
意思表示を受けてもなお「具体的な施策の中身は何も聞いていない」と、慎
重な姿勢を崩していない。

 生活路線であり、観光路線であるという特殊な立山線。地域住民の利用が
限られるからこそ、税金をつぎ込む必要性を示せるかどうかが鍵を握りそう
だ。(柵高浩、和田華奈)


山間部を走る富山地鉄立山線の車両=立山町横江野開


記事・画像:北日本新聞から