最終更新日:2021/12/12 最終取材日:2017/05/08 |
すぎさわのさわすぎ 所在地:富山県入善町吉原 |
黒部川扇状地の末端部に位置する。林内は地下水や湧水の影響で冬でも暖かく、ユズリハ、タブノキといった温暖な土地の植物が数多く生育する。黒部川の氾濫により山から流されてきたとされるアケボノシュスラン、ノリウツギなどの植物、シダ類も存在し、暖地性と山地性の植物が同時に見られる貴重な環境となっている。 成長したスギの枝が雪の重みで地面に着き、そこから根が出て幹が何本も伸びる「伏条更新」と呼ばれる特徴が見られる。スギ林に隣接する沢スギ自然館は林内の案内だけでなく、模型やパネル展示などの学習機能を有している。 ここを初めて訪れたのは、デジタルカメラ黎明期の2000年6月25日でOLYMPUS C1400で撮影している。次に2008年4月20に訪れた。 2004年台風23号で400本が倒れたり折れたりし酷い状態だった。次は2012年9月5日で、元の状態に近づいた、2017年5月8日に、西入善駅取材時に訪れた。2017年10月23日に大型の台風21号が直撃し、スギを中心に約100本が倒れたり折れたりした。観察用に整備されている木道も数カ所が破損し、同日から立ち入り禁止になったが、復旧工事が進み、新種の桜・入善乙女キクザクラの原木がある一部区域を皮切りにはに立入禁止を解除した。 入善町吉原の海岸沿いに広がり、1973(昭和48)年に国天然記念物に指定された。昭和40年代半ばには約45ヘクタールあったとされるが、 ほ場整備事業によりほとんどが水田となり、現在残っているのは 2.67ヘクタールのみ。林内の湧水は85年に「黒部川扇状地湧水群」として全国 名水百選の一つに選定された。沢スギ自然館は毎週月曜休館。開館は9時〜17時で入館は無料。 沢スギから東へ風力発電の風車を目印に 約2kmほど走ると、じょうべのま遺跡がある。遺跡は1970年、圃場整備にともない17回発掘調査が 行われ、1979年5月14日国指定の史跡となり永久に保存されることになった。入善町は史跡公園として整備し、1990年4月から一般公開されている。年代は、二期に分かれており、平安時代の前期と鎌倉時代前期で、平安時代のものでは、10数棟の建物跡・柱穴から多くの遺物が出土している。須恵器・土師器等の中には、墨書土器・木筒等が発見され、荘園の荘所跡ではないかと推定されている。鎌倉時代のものとして7棟の堀立柱の建物跡・珠洲焼・土師質土器及び中国製の青・白磁の遺物が出土している。東大寺領入善庄が成立している時期でもあり深く関連しているのではと考えられている。 あいの風とやま鉄道入善駅からタクシーで約10分、北陸自動車道入善スマートインターチェンジから約15分。25台分の無料駐車場がある。 |
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林内の湧水と沢スギ 2000/06/25 |
林内の湧水と沢スギ 2000/06/25 |
林内の湧水と沢スギ |
林内の湧水と沢スギ |
林内の湧水と沢スギ |
林内の湧水と沢スギ |
入善乙女キクザクラの原木と林内遊歩道 2017/05/08 |
林内の多様な動植物案内板 2017/05/08 |
入善乙女キクザクラの花 画像:入善町から |
入善乙女キクザクラの花 画像:入善町から |
林内のヤブデマリ(藪手鞠) |
林内のヤブデマリ(藪手鞠)実 |
林内のヒラドツツジ |
林内のサクラ |
林内のショウジョウバカマ(猩々袴) |
シダ類やタブノキが多い 巨樹になるタブノキもここでは大きくなれない |
スギ同様にタブノキも曲がっている |
スギやタブノキの根元はシダ類で覆われている |
沢スギ展示館 |
沢スギ展示館の切り株の展示 |
天然記念物指定記念碑 |
駐車場の入善町案内マップ |
駐車場の沢スギ案内板 |
駐車場のムクゲ |
じょうべのま遺跡案内板 |
じょうべのま遺跡 |
じょうべのま遺跡建物跡 堀立柱を復元 |
じょうべのま遺跡河川跡 木製の橋を復元 |
じょうべのま遺跡休憩所の案内 |
じょうべのま遺跡休憩所の案内 |
じょうべのま遺跡休憩所の案内 |
じょうべのま遺跡から入善浄化センター風力発電施設 |