最終更新日:2019/03/05
最終取材日:2018/11/16

たかおかこじょう

所在地:高岡市古城

 高岡古城公園は、加賀藩2代藩主・前田利長の隠居城として1609(慶長14)年に築城された高岡城の城跡。前田利長は、加賀・越中・能登の3国の中心に位置する関野に築城家として有名なキリシタン大名、高山右近に縄張り(設計)を行わせ城を築いてこの地を高岡と命名した。
 命名は詩経「鳳凰鳴矣于彼高岡
(鳳凰(ほうおう)鳴(な)けり彼(か)の高(たか)き岡(おか)に)からとって名付けたと言われている。高岡城は1615(元和元)年の一国一城令により廃城となり現在では、僅かの石垣や井戸の跡が残るのみとなっているが、公園面積の約3分の1を占める濠は原形のまま伝えられている。
 高岡城址は明治維新後に、開墾のため民間に払い下げが決定されたが、当時の区長(市長)であった服部喜十郎らの請願により、1875(明治8)年に払い下げが取り消され公園に指定された。近世の政治・軍事状況や築城技術を知る貴重さから、2015年に国史跡に指定された。
 東京ドームの約4.5倍の広さの園内には約38000本の樹木が植えられ、 春はサクラ、秋は紅葉を楽しめる。固有品種のサクラ「タカオカコシノヒガン」もある。
 射水神社や市民会館、体育館、博物館、動物園、弓道場などさまざまな施設がそろい、幅広い世代の市民らに親しまれている。 古城公園は、高岡市民にとって開祖前田利長公の偉業をしのぶ大切な形見であり、心の故郷となっている。春は桜、夏は緑したたる樹林、秋は燃えるような紅葉、冬は白銀の静寂さに咲く椿の美しさと、四季それぞれに鮮やかな色彩の変化を見ることのできる全国でも珍しい水濠公園。
 古城公園の桜は有名だが、椿も自生のような形で園内各所に繁り、紅い花を咲かせる。植樹された白い椿もあるが、紅葉から桜の季節まで長期間花を咲かせている。
 2009年4月から濠を巡る遊覧船が運航されるようになり、船は利長号と名付けられた。桜や紅葉季には積み残しがでるほど好評なため、翌年から2隻となり、2隻目は、利長公を弔うため瑞龍寺を建立した異母弟の三代藩主利常にちなみ利常号と命名された。乗船料金は大人700円、子供200円、3才以下は無料。定員12名で2名は船頭とガイドのため乗客定員は10名。船上からは、桜や紅葉の他、築城当時の石垣や土塁などを眺めることができる。
 2009年から富山興業(高岡市博労本町)が指定管理者として整備を担当している。面積約21万平方メートル。公園を囲む三つの水濠は、公園面積の3分の1を占め、ハクチョウやカルガモの愛らしい姿を見ることができる。園内には18種1800本のサクラが植えられており、「日本さくらの名所100選」に指定されている。
 あいの風とやま鉄道高岡駅から徒歩約10分。JR氷見線越中中川駅から徒歩約4分。公園内2カ所に駐車場がある。土曜、休日は高岡市役所職員駐車場が臨時駐車場として解放されている。
 昭和30年代に造られた市民会館や体育館は老朽化し、取り壊しが予定されている。体育館が造られる前は相撲場で、大相撲の巡業も行われていた。


池の端濠と本丸のソメイヨシノ

射水神社と市街地を結ぶ駐春橋

二の丸護国神社のコシノヒガンと椿

本丸の芝生広場

遊覧船「利長号」から築城時の石垣

駐春橋二の丸側のソメイヨシノ

本丸の池の端濠側斜面の椿

園内2カ所にある「かたかご園」のカタクリの花
本丸の池の端濠側斜面の椿 梅林の紅梅
観桜の水濠遊覧船「利長号」 紅葉見物の水濠遊覧船「利常号」

小竹藪付近イロハモミジの紅葉

三の丸濠の紅葉
本丸のハゼノキの紅葉 朝陽橋からイロハモミジの紅葉
動物園側から本丸の紅葉 通年見られる西内濠のカルガモ
市立博物館前の10月桜 子福桜 冬季 中の島一の橋付近

冬季枡形濠に渡ってくるマガモ               枡形濠のカモ

冬季枡形濠に渡ってくるホシハジロ               枡形濠のカモ
市立体育館脇に保存されているC11 217 小竹藪側入口の高岡古城公園案内板