2020/01/23 更新
富山駅前・有峰口駅前から登山バス、7月から10月まで運行


有峰湖展望台から有峰ダム堰堤   

有峰湖上の宝来島が有峰神社の鳥居が見える 元は吉事山  
 有峰は立山連峰の西、薬師岳標高2,926mのふもとの山深い所に位
置する、かつて平家の落人が隠れ住んだ場所といわれた「有峰村」のあ
った所。1000年の歴史がある有峰村の人々は有峰ダム建設計画のた
め1921(大正10)年に離村し、1928(昭和3)閉村となった。
 有峰ダムの建設は富山県により1939(昭和14)年富山県により始
められた
建設資材は富山県営鉄道小見駅(現:富山地方鉄道有峰口駅)か
ら索道を使って運ばれた。その後戦争により工事が中断され、戦後工事
を引き継いだ北陸電力により、1960(昭和35)年に有峰ダムが完成
して有峰村があった谷は湖底に沈んだ。
 有峰ダムにより巨大な人造湖の有峰湖が誕生した。最大貯水量は22
2,000,000m
3
山を隔てて東に隣接する黒部湖よりも10%ほど
大きく発電量は2系統の4発電所で、和田川第一水力発電所で最大出力
27,000kW、和田川第二水力発電所で最大出力122,000kW、
有峰第一水力発電所で最大出力265,000kW、有峰第二水力発電所
で最大出力120,000kWの計534,000kWの大出力となってい
る。黒部ダムは黒部川第四地下水力発電所で最大出力335,000kW。
 有峰湖には宝来島という名の島が浮かぶ、吉事山と呼ばれた山の頂上
部分が湖面から露出したもので、北陸電力が有峰ダムの完成を記念して
建立した有峰神社がある。有峰湖は2005(平成17)年3月16日に
財団法人ダム水源地環境整備センターが選定したダム湖百選に選ばれ、
道源谷ゲート付近の有峰湖展望台に記念碑がある。
 有峰湖の周辺を走る有峰林道の総距離は93km
全線舗装で整備され
ているが
麓のゲートからダム湖までの林道は水害などで度々通行止め
が発生する。有料林道である有峰林道に入るには、3カ所のゲートがあ
り、観光の拠点となるダム湖畔の有峰記念館、有峰ハウス、ビジターセ
ンターへ行くことができる。
水須からの小口川線28kmと亀谷からの小見線14kmは、富山側から、飛騨市神岡町から飛越トンネルで入る東谷線は23km。
 小口川線はダム街道で、小俣ダム、小口川ダム、真立ダム、祐延ダムがある、真立ダムは林道からは小口川峡谷の向かい側にあり行くことはできない。
 小口川ダムは大出力の有峰第一、第二発電所が最大出力で発電した場合大量の放流水が下流に影響を与えるので一時溜めて夜間などに放流する逆調整池でダム湖は小さい、放流は有峰第三地下発電所最大出力20,000
kWを通して行われる。
 小見線はメインルートで富山市からの距離が短い、料金所手前に亀谷温泉白樺荘がある。途中に和田川第二水力発電所があり、立山が間近に見られる。観光の拠点となるダム湖畔の有峰記念館、有峰ハウス、ビジターセンターへも近い。
 東谷線は全線2車線で、難所を飛越トンネルで越えるため最も楽なルート。途中には標高1000mの別天地
奥飛騨山之村牧場がある。
富山地鉄バスの有峰線は有峰林道小見線経由で薬師岳登山口の折立を結んでいる。7月12日から10月14日までの運行で8月31日から10月14日までは金・土・日・祝のみの運行となる。富山地方鉄道立山線有峰口駅を経由する。
ダム湖畔の有峰記念館は北陸電力のPR施設で有峰ダム建設の歴史やダム建設前の住民の暮らし、電気事業などを紹介している。1階はレストラン・売店、2階は展示コーナー(有峰ダム建設記録やパネル展示)、3階は団体休憩所(要予約)がある。屋上は展望台となっている。
 開館時間は8時〜17時(レストランは、10時〜16時)冬季林道閉鎖期間は休館となる。


有峰湖展望台付近から有峰湖

左岸から堰堤

有峰林道小口川線から堰堤

有峰林道東岸線から堰堤

放水路と和田川

不動谷ゲート付近から有峰湖

有峰湖展望台のダム湖百選記念碑

有峰湖展望台バス停と案内板 案内板右下は黒部湖

有峰湖展望台から和田川発電所系取水塔

北陸電力有峰記念館

不動谷ゲート付近の駐車場から薬師岳

有峰林道東谷線から薬師岳

有峰湖周線(西岸線)から薬師岳

不動谷ゲート付近から有峰発電所系取水塔

不動谷ゲート付近の駐車場

有峰林道東谷線の東谷橋より下流ダム湖方向

有峰林道東谷線の飛越トンネルを超えると奥飛騨山之村牧場

標高1000mの奥飛騨山之村牧場 通常国道41号線から入る

有峰林道小口川線にある祐延ダム 1931年建造で老朽化している

祐延ダム湖

有峰林道小口川線にある小口川ダム

大出力の有峰第二水力発電所の逆調整池でダム湖は小さい