2022/05/15 更新


富山地方鉄道電鉄黒部駅あいの風とやま鉄道黒部駅

北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅

北陸新幹線と魚津・宇奈月温泉を結ぶ富山地方鉄道新黒部駅

富山地方鉄道電鉄黒部駅 
 黒部エリアは、富山地方鉄道本線の駅が多く、電鉄石田、電鉄黒部、東三日市、荻生、長屋、新黒部、舌山、若栗、栃屋、浦山、下立口、折立、愛
本、内山、音沢、宇奈月温泉の16駅がある。電鉄石田と電鉄黒部以外は黒部川の電源開発のために、1923年に開業した旧黒部鉄道の駅である。
 海岸の生地地区へは、あいの風とやま鉄道黒部駅−電鉄黒部駅−あいの風とやま鉄道生地駅へのバス路線がある。新黒部駅の隣に北陸新幹線黒部宇
奈月温泉駅がある。
 

八心大市比古神社

県道120号線で分断された境内にある三島の大欅 藤が欅に絡んでいる
 電鉄黒部駅近くの八心大市比古神社(やごころおおいちひこじんじゃ)は、明治以前は三島大明神と呼ばれており、現在でも三島神社と呼ばれてい
る。大山祇神・少彦名神・軻遇突智神を主祭神とし、合祀神として天照皇大神を祀っている。県道120号線で分断された境内にある「桜井の化藤」
「三島の大欅」は黒部市指定の天然記念物となっている。
 

県道124号線沿いの辻徳法寺 入口左手にあるのが親鸞聖人縁の三本柿

親鸞聖人縁の辻徳法寺
 三島の大欅の東側に辻徳法寺がある。承元元年に親鸞聖人が法難で越後に流罪になる途中現住職の先祖の辻源左衛門時国の屋敷に宿泊されたとき、
親鸞の弟子となった経田屋太兵衛が祐円を名乗り開創した寺院と言われている。
 寺の入口の三本柿は経田屋太兵衛が親鸞に差し出した柿の種から発芽した3本の柿の1本を移植したものと言われている。現在の柿は、もちろん当
時のものではなく、三本柿の子孫で推定樹齢170年以上、樹高約16m、幹周1.6m。
 

黒部市役所

黒部市役所の100年桜
 辻徳法寺の南東側に黒部市役所があり、敷地内に旧三日市小学校の百年桜がある。(黒部市役所は旧三日市小学校の跡地に建っている)。
 百年桜は1907(明治40)年、三日市尋常高等小学校の新任教師であった森丘正民が初任給で購入し三日市小学校の敷地に植樹したもので、児童
を見守り続けてきたが、今は1本を残すのみとなっている。植樹年代がはっきりしているソメイヨシノで、これだけの長寿は大変珍しい。樹高11m、
幹回り2.7m、枝張り16mで、2006(平成18)年に黒部市天然記念物の指定を受けている。
 

宇奈月方面からの明峰中学校生徒のために移設新築された荻生駅舎

黒部市立明峰中学校
 富山地方鉄道荻生駅は、桜井、宇奈月両中学校を統合した明峰中学校の最寄り駅で、貨物ホーム跡に駅舎・ホームを新築した。宇奈月方面からの生
徒が電車通学で利用する。
 

黒部市総合公園 メインアリーナ

黒部市総合公園の温水プール

黒部市総合公園 高橋川の鯉のぼり

黒部市総合公園児童広場と鯉のぼり 奥に黒部市美術館
 黒部市総合公園は広大な敷地に、体育センター、温水プール、美術館、多目的広場、児童広場など様々な施設がある。園内所々に川や水場があり、
豊かな水の景観を楽しむことができるのが特徴。児童広場には大型アスレチックや小型遊具があり、子供をのんびりと遊ばせることができる。
 ゴールデンウィーク期間中には、各家庭から寄せられた大小様々なこいのぼり約100匹が高橋川に揚げられ、「空流し」として春の風物詩になっ
ている。 隣接して黒部浄水場と黒部浄化センターがあり、人工の滝「きららの滝」、ゆららの水辺広場、足湯「ばいおーゆ」などがある。
 

天真寺「松桜閣」

天真寺本堂

天真寺庭園

天真寺庭園の池の鯉
 新黒部駅と舌山駅の間にある「松桜閣」は初代富山県知事国重正文が明治16〜211年に使用した私邸で、知事転任後に黒部市の豪農西田収三が
購入し、移築した。昭和に入り天真寺が購入、増改築され回遊式庭園も造成された。平成に入り北陸新幹線駅構想計画の中に「黒部」らしい駅つくり
の一環として「松桜閣」と「日本庭園」の整備が提言され、平成20年から3年間の修復工事により数寄屋建築の松桜閣に復元された。
 

富山地方鉄道舌山駅ホームから宮野運動公園の仏舎利塔

宮野運動公園の桜
 新黒部駅と舌山駅のホームから宮野運動公園の仏舎利塔と「名水の里 黒部」の大きな看板が見える。宮野運動公園は黒部市街地を一望できる宮野
丘陵に広がる23haの公園で、シンボルの仏舎利塔、芝生広場、野外ステージ、陸上競技場、野球場、テニスコート、相撲場などが整備され、家族で
楽しめる公園となっている。
 公園東側には宮野墓地公園があり、両公園にはソメイヨシノ、ヤマザクラなど約1000本の桜があり春は花見客で賑わう。公園からは北陸新幹線
や富山地方鉄道本線を走る列車を撮影することができる。
 

ため池としても小さい 大谷ダム

黒部市が管理する大谷ダムのラジコンサーキット場 使用は無料
 宮野運動公園の奥には大谷ダム、十二貫野湖、大小ため池が点在する。この辺りには流量の大きい河川が無いため、多くのため池がある。ため池の
多くは加賀藩の新田開発によって造られた。大谷ダムは堰堤の高さが29.5mと高いのでダムに分類されている。大谷ダムは、地域に密着した小河川
の治水・利水対策を図るため、1988(昭和63)年に創設された「小規模生活ダム(生活貯水地)事業」の建設採択全国第1号。下流側はなだらかな
スロープで、緑地化してコミュニティースペースとして有効活用され富山県では珍しいラジコンサーキット場がある。
 

くろべ牧場まきばの風から駐車場と展望

くろべ牧場まきばの風のポニー

石田フィッシャリーナから くろべ牧場まきばの風

石田フィッシャリーナ(釣り桟橋)
 大谷ダムの東側に、くろべ牧場まきばの風がある。標高355mの牧場から黒部川扇状地や魚津・黒部市街、富山湾を一望することができる。くろ
べ牧場には約250頭の乳牛や、ポニー、羊、山羊、うさぎなどが飼育されている。後味すっきりのソフトクリームは一番人気で、ジェラートやプリ
ンなど、美味しい牧場スィーツが楽しめる。バーベキューや手作り体験メニューも人気で、ソーセージ、アイスクリーム、ピザ、バター作りなども楽
しめる。入場は無料。
 

あいの風とやま鉄道生地駅

とやまの名水「清水の里」湧水吹き出し口  拡大1920×1080

とやまの名水「清水の里」名水吹き出し口

とやまの名水「岩瀬家の清水」湧水吹き出し口  皇國晴酒造内
 生地地区は、黒部川扇状地の末端にあたり、地区内各所に生活に利用される湧水があり、「黒部川扇状地湧水群」として環境省の「名水百選」に選定
されている。あいの風とやま鉄道生地駅前の、ふれあい湧水公園に名水めぐりマップがある。駅舎前の「清水の里」水質は1、2を競うが、湧水では
なく地下60mの水脈からポンプで汲み上げているため、環境省の湧水の定義には当てはまらない。
 黒部川扇状地湧水群のなかで、唯一酒蔵に湧く清水が、岩瀬家の清水で、皇國晴酒造の銘酒「幻の瀧」の仕込み水として使用されている。
 

黒部漁港白灯台付近から防風林が続く生地海岸

魚の駅生地から黒部漁港船溜まりと黒部市立生地小学校

魚の駅生地直販棟「とれたて館」

魚の駅生地レストラン棟「できたて館」
 黒部漁港にある魚の駅「生地」は黒部のおいしい魚を存分に楽しめる場所で、鮮魚や加工品を販売する直販棟「とれたて館」と、干物を自分で焼い
て食べるレストラン棟「できたて館」の2棟からなっている。
 「とれたて館」では漁港であがった新鮮な魚や黒部の名産品・水産加工品、おみやげマリングッズを販売。「できたて館」では寿司や海鮮丼のほか、
自分で魚や浜の伝統料理を焼いて食べられる浜焼きも楽しめる。数が少なく市場に出せない珍しい魚も販売している。富山県唯一の温泉街が近くにあ
るにも拘わらず、地元の人も利用するため、観光客相手の○○市場や○○街より価格は安い。
 

回旋橋の生地中橋  右の茶色の建物に操作室

生地中橋の遮断機と信号機 
 黒部漁港と船溜まりの間に架かる生地中橋は可動橋で、昭和期に黒部漁港拡張のために動力昇降式可動橋となり、後に現在の、橋の片側を軸として
回転する片持ち式の旋回式可動橋に架け替えられた。これは日本では最初であり、世界でも珍しい橋である。橋の両側には旋回時に通行止めにするた
めの遮断機と信号機がある。
 

片貝川河口から生地鼻燈台

生地海岸から生地鼻燈台
 生地鼻灯台は本州の陸地では珍しい白黒の灯台で、塔高も30mある立派な灯台。近くに台場跡があり無料駐車場もある。他の灯台と異なり周りに
民家があり撮影しにくい。白黒の灯台は男鹿半島の入道崎灯台が有名。
 

黒部市吉田科学館

生地駅ホームからYKK黒部事業所
 黒部市吉田科学館は1986年に開館した科学館で、日本海側最大級のプラネタリウムがある。2016年にプラネタリウムがリニューアルされ、
リアルな星空と3D宇宙体験が気軽に楽しめるようになった。館内には、科学の不思議を学べるサイエンスショーや、宇宙やジオパークに関する企画
展示、子どもから大人まで楽しめる科学工作おもちゃなど展示している。
 吉田科学館は企業YKK創業者でファスナー王国を実現した吉田忠雄氏が作ったのだが、科学館の名前は地名とダブっている。黒部市は今もYKK
の一大拠点で、本社機能を東京から移しつつある。旧生地町の北部は吉田村でYKKの黒部事業所はこの領域にある。吉田村の名前の由来は1028
年に京都の吉田右衛門が、この地に来て開拓したと伝えられ、村名にしたと言われている。
 

生地駅付近の黒部川堤防から白馬連峰   初雪山−鎚ヶ岳

生地駅付近の黒部川堤防から長栂山2267mと朝日岳2418m
 気象条件が良ければ生地駅付近の黒部川左岸堤防から白馬連峰を一望することができる。範囲は初雪山から鎚ヶ岳まで、最高峰は白馬岳2932m。
毛勝山以南の山は富山市の呉羽山から見るのとは全く異なる。
 

宇奈月麦酒館

宇奈月麦酒館の醸造設備

黒部市立うなづき学友館

下立口駅から徒歩2分の「ます寿司屋ヒロ助」
 宇奈月麦酒館には、ビール工場、レストラン、売店のうなづき食彩館がある。宇奈月ビールは標高3,000mの山々から流れる黒部川の名水と地元
宇奈月産の二条麦を原料とし、醸造は本場ドイツから製法を学び、伝統の技術で生産されている。この製造工程はビール工場でガラス越しに見学する
ことも可能。
 国際ビール大賞連続受賞した3種類の地ビールをレストランでは料理と一緒に味わうことができる。売店では地ビールと一緒に地場特産品や宇奈月
麦酒館オリジナルグッズも販売している。
 隣接地に黒部市立うなづき学友館があり、江戸期に愛本に架けられた日本三奇矯のひとつ愛本刎橋の1/2模型が展示されている。
 富山地方鉄道本線下立口駅近くに通販で全国で人気のます寿司製造販売のヒロ助がある。この寿司を初めて知ったのは富山市のCiC1階のととや
までの出張販売だった。通販が主で生産能力少なく販売する店舗は少ない、本店以外は直ぐに売り切れる。

黒部川堤防道路から県道13号線愛本橋

愛本堰堤と川の灯台愛本刎橋

日本三奇矯と言われていた愛本刎橋(古い絵はがきを着色)

川の灯台(立入禁止)付近から愛本刎橋のあった場所
 愛本刎橋は1662年、加賀藩第5代藩主前田綱紀の時代に架橋された。この地になったのは両岸が硬い岩盤で川幅が狭かったためだが、黒部川の
激流で流れの中に橋脚を建てることができないため、両岸から「刎木(はねぎ)」を出して長さ63.5m橋を支える特殊な構造だった。加賀藩が参勤交
代に使用するため、通行する部分の幅は約3mあった。江戸時代に8回架け替えられた後、1891年に木造アーチ橋になり、1920年に鋼鉄製の
トラス橋となった。現在の1972年に架けられたアーチとケーブルで支えるニールセンローゼ橋は12代目。ニールセンローゼ橋としては高知市の
1966年架橋の鏡川水道橋に次いで日本で2例目。1981に鏡川大橋もニールセンローゼ橋になった。
 

富山地方鉄道宇奈月温泉駅

黒部峡谷鉄道宇奈月駅
 富山地方鉄道宇奈月温泉駅と黒部峡谷鉄道宇奈月駅は約500m離れている。黒部峡谷鉄道全員着席となるため車両指定が必要で、予約していても
乗車券は当日宇奈月駅窓口での引換となる。2015年以後は、宇奈月温泉への経路は電鉄富山駅から北陸新幹線の黒部宇奈月温泉に代わり、特急列
車は電鉄黒部−宇奈月温泉温泉間となった。コロナ禍で富山地方鉄道の特急は全廃となったが、電鉄富山−宇奈月温泉は観光列車を除いて復活しない
と思われる。特急列車は電鉄富山−立山間がメインとなる。
 

大原台公園の平和観音菩薩像

大原台公園から宇奈月温泉駅街
 大原台自然公園は、僧ケ岳林道の途中、宇奈月温泉スキー場の最上部にあたる、海抜550m地点の大原山のにあ。宇奈月温泉街を見下ろす、この
公園からは、黒部の山々や眼下に宇奈月ダム湖、宇奈月温泉スキー場、遠くに黒部川扇状地、富山湾、能登半島が眺望できる。
 公園内には、宇奈月町出身の彫刻家、故佐々木大樹氏制作の「平和の像」があり、高さ12.7mで鋳造物としては日本最大級で、日本一標高の高い場所に立つブロンズ製観音菩薩像。
 

展望台から黒部峡谷鉄道の新旧山彦橋

遊歩道となっている黒部峡谷鉄道の旧第1号トンネル
 黒部峡谷鉄道は、宇奈月ダム建設によって新線区間にルートが変更され、1986年に現在の新山彦橋に架け替えられ、第1号トンネルも新第1号
トンネルに付け替えられた。これらは宇奈月駅からの遊歩道として利用されている。
 遊歩道の旧第1号トンネル入口から新山彦橋を見上げることができトンネルを抜けると道の黒部川側に宇奈月町詩の道句集事業で募集した2004
年度から2008年度までの優秀作品の句碑が立っている。遊歩道終点の階段を登ると宇奈月ダム展望台に出る、展望台からは上流側に宇奈月ダム堰
堤、下流側に新旧山彦橋が見える。
 

湖面橋から宇奈月ダム堰堤

うなづき湖第二展望広場付近から新柳河原発電所と黒部峡谷鉄道柳橋駅
 県道13号線から分岐する市道うなづき湖線には、所々にダム湖を眺められるポケットパークが設けられている。尾瀬場トンネルと湖面橋の間にある、うなづき湖第一展望広場からは宇奈月ダム堰堤、新柳河原発電所、立山連峰、トロッコ電車、ニホンザルが見られる。
 湖面橋と尾の沼公園の中間にあるうなづき湖第二展望広場からは樹木に隠れダム湖見えないが約70m下流側に駐車スペースがあり、新柳河原発電
所や柳橋駅を発着するトロッコ電車がよく見える。ニホンザルが道を横断するので注意が必要。
 

尾の沼公園駐車場から宇奈月ダム湖

尾の沼公園の日帰り温泉施設とちの湯

尾の沼公園から新柳河原発電所とトロッコ電車

トロッコ電車から尾の沼谷と、日帰り温泉施設とちの湯
  黒部川右岸の県道13号線の想影橋を渡ると温泉街に行くが、県道に続く市道うなづき湖線を直進し、うなづき湖を眺めながら走ると終点に尾の沼
公園がある。
 公園には、黒部市尾の沼体験交流施設(日帰り入浴施設)「とちの湯」があり、展望広場からは対岸を走るる黒部峡谷鉄道のトロッコ電車が走り抜け
る。ダム湖の奥に猿専用吊り橋が眺められ、更に奥には立山連峰の釜谷山や猫又山が見える。