2021/12/15 更新


五百石駅舎が入る立山町元気創造館

元気創造館3階から立山町庁舎
 五百石駅が入る立山町元気創造館は図書館や町民交流センターなどが一体化した施設で、点在していた町の施設が一箇所にまとめられた。駅から約
300mの所に立山町役場、500mの所に富山県立雄山高校があり、終日依託駅員が配置されている。
 

富山地方鉄道本線と立山線が分岐する寺田駅

立山線の駅名になっている稚子塚
 寺田駅は富山地方鉄道の本線と立山線が分岐する駅で、電鉄富山駅側に変電所が設けられている寺田駅は富山地方鉄道の前身の富山電気鉄道の駅
として設置され、変電所もこの時設置されている。電鉄富山駅、稲荷町駅に次いで列車本数が多く、富山地方鉄道の列車を撮影する場合、この駅が寺
田駅が手っ取り早い。

 稚子塚は寺田駅と稚子塚駅の間にある古墳の名前で正式の名称は稚児塚古墳となっている。直径約50m、高さ約9m、富山県下では最大級の規模
の円墳。古墳は葺き石覆われている、富山県で唯一の古墳。古墳の所在地は立山町浦田字前田1580となっている。
 

岩峅寺駅舎

岩峅寺駅に停車中の初詣臨時列車開運号

雄山神社前立社壇表参道の大鳥居

雄山神社前立社壇の表門

雄山神社前立社壇拝殿

雄山神社前立社壇拝殿の祈祷所

国指定重要文化財の雄山神社前立社壇本殿

雄山神社前立社壇境内社 末社 八幡社 摂社刀 尾社 末社 稲荷社

雄山神社前立社壇庭園

雄山神社前立社壇の東参道から登録有形文化財の上滝発電所建屋
 岩峅寺駅の駅舎は社寺を模した形態をしている。雄山神社前立社壇への最寄り駅で、岩峅寺駅で下車した場合は東参道、東神門を通ってお詣りする。
表参道へは上滝線大川寺駅で下車し、立山橋を渡ってお詣りする。100台規模の駐車場があり、初詣の三箇日は常願寺川河川敷に臨時駐車場が設け
られる。
 雄山神社は、日本三霊山の1つ立山を御神体とし、峰本社・中宮祈願殿・前立社壇の3社から構成され、3社を総称して雄山神社と呼ぶ。標高30
03mの雄山山頂に鎮座する峰本社に登拝しても、平地に鎮座する中宮祈願殿や前立社壇で参拝しても御利益は同じとされる。
 前立社壇(まえたてしゃだん)は信仰者の便をはかるため、里宮として室町時代に創設された。本殿は北陸地方で最大で国指定重要文化財となってい
る。3社の中で最も平野部に近く、一番手前に鎮座していることから前立社壇とう名が付いたと言われている。現在の祭神は伊邪那岐神(いざなぎのか
み)、天手力雄神(あめのたぢからおのかみ)

 雄山神社は越中一の宮だが、狭い富山県に一の宮と名乗る神社が4社もある。社格の高い順に高岡市の射水神社、雄山神社、高瀬神社、気多神社で、
雄山神社と高瀬神社は同格。
 

雄山神社中宮祈願殿表参道の鳥居

鳥居から祈願殿まで長い参道が続く

芦峅寺にある雄山神社中宮祈願殿

芦峅寺にある遙望館 [立山博物館]

 芦峅寺にある遙望館前の広場

遙望館前の広場から立山三峰 左から富士の折立、大汝山、雄山

芦峅寺にある布橋

布橋から立山連峰
 芦峅寺地区には雄山神社中宮祈願殿の他に立山信仰に関する施設がある。中宮祈願殿の表参道は県道6号線に面しているが、鳥居から祈願殿までは
約200m
ある。県道67号線に脇参道があり、中宮祈願殿は広大な敷地を有している。県道67号線沿いの石柱に刻まれた名は半分以上佐伯姓である。立山信仰の中心地で境内に立山開山の佐伯有頼廟があり、隣地に立山信仰を分かり易く解説する立山博物館がる。
 中宮祈願殿から約500m東側に赤い欄干で木造の布橋がある。かつて芦峅寺地区は宿坊が並び立山信仰の拠点として栄えた。立山信仰において、
この芦峅寺から奥は聖域で江戸時代、立山は山中に地獄や浄土があるあの世の世界と考えられていた。姥堂川が聖域と俗世を分ける境に、姥堂川に架
る布橋は聖域への入口、立山登拝道の入口として機能していた。
 江戸時代、女人禁制により立山への入山が許されなかった女性が布橋を渡る布橋灌頂会が3年に1度開催されている。布橋付近には閻魔堂、姥堂跡、
立山博物館分館「遙望館」、まんだら遊苑がある。熊が出没するらしく訪れた時は野外のスピーカーから音楽が流れていた。
 

富山地方鉄道・立山黒部貫光立山駅

立山黒部貫光の立山ケーブルカー
 立山駅は立山黒部アルペンルートの富山県側でシーズン中は立山ケーブルカーが頻繁に発着するのが見られる。富山県と立山町は県道43号線を挟
んだ向かい側と砂防トロッコ基地隣と上流側の常願寺川堤防に駐車場を設けている。2021年に駐車場有料化の社会実験が行われた。
 

立山カルデラ砂防博物館

北陸地方整備局 立山砂防事務所と砂防トロッコ

重要文化財白岩砂防堰堤      画像:とやまの近代歴史遺産から

立山砂防事務所付近の砂防堰堤 古い石積みも見られる

真川橋梁付近の瀬戸蔵砂防堰堤

重要文化財本宮砂防堰堤

称名川藤橋から砂防堰堤

悪城の壁下の称名川の砂防堰堤
 立山駅付近に立山カルデラ砂防博物館と北陸地方整備局立山砂防事務所がある。立山カルデラは、火山活動と侵食作用による独特の自然をもつ日本
でも有数の大規模崩壊地。立山黒部アルペンルート、弥陀ヶ原台地の南側にあり、周囲は切り立った断崖で囲まれ荒々しい崩壊地が目立つ。
 博物館では、「立山カルデラの自然と歴史」及び「砂防」の二つのテーマで、人と自然の関わりを広く紹介しおり、室内展示館では、ジオラマや映像、実験装置などで立山カルデラ、砂防の様子を体験、学習することができる。
 1858年4月9日に発生した飛越地震により鳶山崩れが併発した。これにより、かつての大鳶山と小鳶山は完全に崩壊し、立山カルデラに大量の
土砂が流れ込んだ。これが大規模崩壊を引き起こし立山カルデラの砂防事業は永遠に続くと言われている。
 2017年11月に本宮砂防堰堤、泥谷砂防堰堤が、白岩砂防堰堤が合わせて「常願寺川砂防施設」として重要文化財に指定された。立山カルデラ
砂防博物館はシーズン最盛期には立山ケーブルカーの待ち時間に見学する人が多い。観覧料は400円で大学生以下無料。
 

称名滝とハンノキ滝

立山高原バスから称名滝とハンノキ滝 5段になりつつある

展望広場から称名滝

称名橋から滝壺付近
 称名滝の落差は350mで、日本一とも言われる。4段構成の滝で、最上部の1段目が70m、2段目58m、3段目96m、4段目が126mで、
滝つぼの直径は60m、深さは約6mある。国指定の名勝および天然記念物で、日本の滝百選、名称は、法然上人が滝の轟音を「南無阿弥陀仏」とい
う称名念仏の声と聞いたことに由来すると言われている。1段で落差日本一は和歌山県勝浦町の那智の滝。
 雪解け水が流れ込む春には、称名滝の右側にハンノキ滝が現れて、2つの滝が流れ落ちる。特に流量が多い場合は、ハンノキ滝の右側にソーメン滝
も現れて、3つの滝が並んだ光景を見ることができる。ハンノキ滝の落差は500mで、350mの称名滝よりも大きいが、常に存在している滝では
ないので、日本一の落差の滝として認められていない。

 

室堂平から尾山神社峰本社(左)と社務所(右)

室堂平の みくりが池

室堂平のみくりが池温泉

室堂平から地獄谷

室堂平の みどり池

室堂平みくりが池付近から室堂山荘と国指定重要文化財立山室堂(右2棟)

国指定重要文化財立山室堂 2棟に分かれている 奥は室堂山荘

立山ロープウェイゴンドラ内から大観峰駅
 立山駅から立山ケーブルカー、立山高原バス、立山トンネルトロリーバス、立山ロープウェイ、黒部ケーブルカー、関電トンネル電気バスで繋ぐ、
立山黒部アルペンルートは関電トンネルバス以外は地鉄グループの立山黒部貫光が運行している。多種多様な乗り物に乗るのも貴重な体験だが、見ど
ころは室堂平と黒部ダム。
 標高2450mの室堂平はアルペンルートの中心地で、立山や剱岳の登山や観光の拠点として多くの観光客で賑わう、4月から11月末まで、四季折々の絶景を楽しむことができる。国の特別天然記念物に指定されているライチョウの生息地域で、運が良ければ出会えることもある。
 なだらかな斜面が広がる室堂平には散策道も整備されていて、ハイキングにも最適、北アルプスで最も美しい火山湖と言われる紺碧の湖「みくりが池」など、散策スポットも豊富。また、みくりが池温泉は、標高2410mにある日本一高所の天然温泉で、源泉は地獄谷にある。
 「室堂」とは、修験者が宿泊したり祈祷を行ったりする堂のことで立山信仰の人々が雄山山頂の立山寺(雄山神社)への途中に宿泊したり、祈祷をささげたりする施設として使用されていた。「立山室堂」は、日本最古の山小屋で、1980年代まで宿泊施設(山小屋)として実際に使用されていたが、国の重要文化財指定に伴って新しい山荘が隣接地に建設された。現存する建物は加賀藩によって、1726年に再建されたもの。
 

黒部ダム展望台休憩所から黒部ダムの観光放水

黒部ダム展望台休憩所

黒部ダム堰堤左岸から黒部湖

黒部湖遊覧船から堰堤

黒部湖遊覧船「ガルベ」

堰堤天端から上流方向      奥の山は赤牛岳     7月

黒部湖遊覧船から平乃小屋

平乃小屋と対岸の登山道をつなぐ平の渡し「しらとり」 無料

黒部ダム堰堤から下流側

堰堤右岸の黒部ダム殉職者慰霊碑
 立山黒部アルペンルートの室堂平に次ぐ見どころは黒部ダム。第二次世界大戦後、関西地方は深刻な電力不足により、復興の遅れと慢性的な計画停
電が続き、深刻な社会問題となっていた。打開策として、関西電力は、黒部ダムを計画した。
 1956年から1965年の工事期間中に171人が殉職した世紀の難工事でダムサイトに慰霊碑がある。難工事の様子は映画「黒部の太陽」など
で紹介された。発電は黒部川第四水力発電所で最大出力335,000kW。完成時の出力は154000kWだったが、発電機の出力アップと増設で増
加した。ダム名と発電所名が同じ場合が多いため、黒四ダムと呼ぶ人がいる。
 6月26日〜10月15日まで観光放水が行われる。9月から渇水期になるため時間が短くなる。放水を近くで見られる展望台も造られている。
 左岸から黒部湖遊覧船ガルベが運行されている。ガルベとは「黒部」の語源と言われるアイヌ語を元にした名前で、初代遊覧船黒部丸に代わって、
2000年に投入された。運賃は1100円で30分かけて黒部湖を一周する。関西電力の関連会社でホテルなどを経営する関電アメニックスが運行
している。
 上流部左岸に平乃小屋があり、ここから登山者や渓流釣客を対岸の針ノ木谷に渡す渡船がある。黒部ダムの観光放水が行われる6時から17時まで
4往復運行され、運賃は無料。黒部湖により登山道が分断されたための代替で関西電力が運行しているが、実際の業務は平乃小屋の佐伯氏に運行委託
されている。 右岸の黒部ダム展望台休憩所は屋上が展望広場になっている。建屋にはレストランや売店がある。
 

富山市小見の芳見橋から上流側 本宮堰堤と立山大橋

富山市小見の芳見橋から下流側 富山地方鉄道立山線千垣橋梁

富山市大山歴史民俗資料館

本宮砂防堰堤ポケットパークから本宮砂防堰堤と立山大橋        (富山市)
 立山線の小見駅から市道を上流側へ歩くと小見小学校前に、2017年に本宮砂防堰堤が重要文化財に指定されたことを記念して造られたポケット
パークに記念碑がある。本宮砂防堰堤を近くから見ることができる。最初の本宮砂防堰堤は1937年に造られている、その後洪水で何度か破損し復
旧工事が行われている。
 小見駅の下流側の芳見橋の上流側に本宮砂防堰堤と立山大橋見える。下流側から立山線の千垣橋梁が見え立山線列車の撮影ポイントになっている。
立山行列車は観光客へのサービスか5km/hでゆっくり走る。電鉄富山行きは制限速度の20km/h。
 芳見橋から有峰林道への途中に富山市大山歴史民俗資料館があり、その前に日帰り入浴施設亀谷温泉白樺の湯がある。白樺の湯は富山市の宿泊施設
白樺ハイツだったが廃止となり、小見地区の住民有志が「白樺の湯」として復活させた。料金は富山市の銭湯料金と同じ。
 

富山市岡田から横江頭首工 奥に尖山

富山市岡田から横江頭首工 流量調節用の水門が6基並ぶ

常西合口用水の桜 上流               (富山市)

常西合口用水の桜 下流   奥に薬師岳            (富山市)

立山線横江駅付近の蔵王神社から尖山(559m)への登山道がある

尖山の山頂から立山連峰
 立山線の横江駅から常願寺川側へ歩くと横江頭首工がある。横江頭首工は富山平野の農地約7900haを灌漑する農業用水を安定的に取水するため
1942〜1952年度にかけて、国営農業水利事業によって造成されたが、造られてから50年余りを経過し、老朽化が著しいことや、常願寺川の
計画洪水流量が見直されたことから、平成11〜20年度にかけて国営総合農地防災事業により改修された。
 6基の水門は分水ではなく流量の調節用で取水され後、1本の水路で岩峅寺駅付近の常願寺川両岸分水工で常東合口用水と常西合口用水分けられ、
常西用水は水路橋の豊水橋で常願寺川を渡り、灌漑のほか 北陸電力の常願寺川第一〜第四発電所で27000kW発電する。常東合口用水も発電に使
用される。大山寺駅付近の常西合口用水は桜の名所としても有名

 横江頭首工や常願寺川両岸分水工から尖山(559m)が見える。尖山(とがりやま)の山頂からは立山連峰を展望できる。立山黒部ジオパーク立山エリア
に指定され、最近は駐車場を整備しなければならないほどで、低山登山の人気スポットになっている。駐車場は横江駅前に整備された。インターネッ
トの検索で尖山と入力すると表示される。宮城県に尖山があるということだが、「宮城県 尖山」と入力しても横江の尖山が表示される。