2020/12/19 更新


現存する水族館では最も古い魚津水族館 建屋は三代目
   

早月川河口付近の魚津ミラージュランドの観覧車
   
 魚津エリアは早月川右岸から片貝川・布施川左岸までの範囲で、西側
滑川市との境界は、早月川となっているが、東側の黒部市との境界は、
あいの風とやま鉄道線までは片貝川、その南側は布施川となっている。
 富山地方鉄道本線の駅は西側から、西魚津、電鉄魚津、新魚津、経田
の4駅で、滑川市の8駅、黒部市の16駅に比べ少ない。
 魚津は江戸時代以前から蜃気楼の名所として知られている。蜃気楼は、
大気中で光が屈折し虚像が見える自然現象で、気温や風などの条件が整
わないと発生しない。蜃気楼は、3月下旬から6月上旬にかけて多く発
生し、蜃気楼出現予測が発表されると海の駅蜃気楼付近の海岸に多くの
人がカメラを構える。
 観光施設は、早月川河口付近に魚津ミラージュランド、魚津水族館がある。ミラージュランドは富山県唯一の本格的な遊園地。魚津水族館は、北陸本線の全線開通を記念した博覧会の施設として1913年9月に開設された。現存する水族館では最も歴史の古い魚津水族館となっている。
 魚津港付近には魚津埋没林博物館、海の駅蜃気楼がある。没林博物館は
国の特別天然記念物の指定を受けた樹根を展示する、全国でもの珍しい博物館。海の駅蜃気楼は海産物など、魚津の特産品を販売するほかユネスコの無形文化遺産登録・国の重要無形民俗文化財指定されている「たてもん祭り」の山車「たてもん」を常設展示している。たてもんとしは小型で高さ7m、提灯は58個となっている。
 

新しい駅舎の電鉄魚津駅

開業以来の駅舎の経田駅
 電鉄魚津駅は1936(昭和11)年6月5日に富山電気鉄道の早月(現:
越中中村)−電鉄魚津間延伸により開業した。1956(昭和31)年
9月10日に台風12号によるフェーン現象下で発生した魚津大火によ
り、線路は飴の様に曲り、駅も焼失した。
 旧駅舎は魚津市街連続立体化工事完成で、1967(昭和42)年9月
1日に4階建ての駅ビルとなり、1998年まではステーションデパー
トとしてテナントが入居していたが集客力の低さからすべて撤退した。 
駅はビルの3階部分にあり、エレベーターが無いため日中利用者のほ
とんどを占める高齢者には3階まで登るのが大変であった。
 富山地方鉄道は電鉄魚津駅を移転新築することにし、2013年1月
28日に着工し6月4日から新駅舎の供用を開始した。


 経田駅は富山電気鉄道が西三日市(電鉄黒部)まで開通した1936
(昭和11)年10月1日に開業した。当時は魚津と経田の間に道下と
いう駅があった。駅ができた時、ここは経田村だった。昭和27年4月
1日に魚津町と近隣の11村が合併して魚津市が誕生した。
 駅舎は当時の物が使われている。ホームは片面ホームで無人駅。駅前
に未舗装だが20台規模の駐車場があり、2カ所に駐輪場が設置されて
いる。経田は片貝川河口近くに開けた漁業の町で駅近くに経田漁港があ
る。この駅は魚津工業高校と新川みどり野高校への最寄り駅で高校生の利
用が多い。ホームの向側に魚津市福祉センターがあり駅近くに経田小学
校、経田神社、経田保育園、経田幼稚園、がある。
     

 

魚津埋没林博物館

水槽に展示されてい埋没林
 1930年魚津港浚渫工事中に大量の樹根が出土し、これらが193
6年に「魚津の埋没林」として国の特別天然記念物の指定を受けた。こ
れの保存、展示を目的に1955年4月に魚津市立博物館として開館し
た。現在の博物館は1992年4月28日に竣工している。
 テント状の建屋がテーマ館で屋上が展望台になっている。温室状の大
きい方が水中展示館、小さい方が乾燥展示館、
 左のドーム館は埋没林の発掘現場をドームで覆った半地下式になって
いる。
 駐車場とエントランスホールは県道2号線の南側にあり、展示場とは
県道を潜る地下道で結ばれている。エントランスホール内にカフェ&ス
イーツの「KININAL」がある。
 エントランスホームからテーマ館1階は無料ゾーンとなっている。
 埋没林とは、“埋もれた林”で、日本、世界の各地で発見されている。林
が埋もれる原因には、火山の噴火に伴う火山灰や火砕流、河川の氾濫によ
る土砂の堆積、地すべり、海面上昇などさまざまなものがある。

 埋没した年代もさまざまで、数百年前から数万年前のものまであり、魚
津埋没林は、約2000年前、片貝川の氾濫によって流れ出た土砂がスギ
の原生林を埋め、その後海面が上昇して現在の海面より下になったと考え
られている。

 埋没林は、その森林が生育していた場所全体が地下に密閉され、木の株
だけでなく種子や花粉、昆虫などが残っているため、過去の環境を推定す
る大きな手がかりとなっている。
        

魚津漁港

魚津漁港に隣接する 海の駅蜃気楼

魚津神社

海岸にある諏訪神社

諏訪神社境内から蜃気楼ロード

諏訪神社の祭礼 たてもんまつり

北山少彦名社

北山鉱泉元祖仁右衛門家
 北山少彦名車は北山鎮守の神社で少彦名命を祀っている。北山鉱泉の
温泉街に鳥居が経ち、更に石段を上った高台に拝殿がある。
 静かな山間にあり、1867年から続く歴史ある湯治場。その昔、村
人が霊夢により、神社の下より湧き出る水で瀕死の妻を救ったことが元
いと伝えられ、以来神の霊験と北山霊水の効能が世に広く伝わり遠近の

湯治客で賑わうようになった。少彦名社で参拝し、温泉に入れば子宝を授かるといい伝えられている。
 2000年頃は5軒の温泉旅館があったが相次いで廃業し、現在は元祖仁右衛門家と お宿いけがみの2軒が営業している。
     


登録有形文化財 東山円筒分水槽

登録有形文化財 東山円筒分水槽
 東山円筒分水槽は、3つの農業用水に公平に分配するための円筒分水
漕。東山地域の水源である片貝川は、豪雨時には水害、夏期には水不足
になることから水争いが絶えない地域であり、これらを解消することを
目的に1955年に建設された。
 対岸の貝田新円筒分水槽で分水され、川底の水路トンネルを通し、サ
イフォンの原理で東山円筒分水槽に水が引かれています。下流の各地区
の田んぼの面積に応じて分配しており、上流からの水量が多いときも少

ないときも、水量の変化に影響されることなく公平に分配される。
 東山円筒分水槽は直径9.12mの円筒分水槽で、大きな円型の水槽から溢れる水の落差は迫力がある。近年マスコミやSNS等で取り上げられたことから、現在では観光スポット、パワースポットとしても注目され、日本一美しい円筒分水槽と言われている。
 2019年11月に国登録有形文化財(建造物)にしていされ、2020年12月に隣接してポケットパークと駐車場が完成した。



片貝川南又谷の洞杉

岩を抱き込んだ洞杉
 洞杉は、天然スギの古木で巨木。名前の由来は、幹の内部が空洞にな
っているものが多いことからそう呼ばれるようになったと言われている。
 生育地は、片貝川南又谷の標高500〜700m前後の斜面〜稜線で、
大型の転石・露岩の多い急斜面地に多く生育している。過去の調査では
大小合わせて124本が確認されているが、人が近づけない場所を含め
てそれ以上の数が生育している。樹齢は数百年から千年と言われている
     

 洞杉の多くは、巨大な石を抱え込むような形で生息しているのが特徴で
南又谷地区の豊かな自然環境とあわせ他に類を見ない素晴らしい景観を作
り出している。
 環境省が平成11年と12年に行った巨樹・巨木調査では、洞杉の最も
大きいものは主幹の幹周が1560cmあり、樹種別の巨木”杉単体”部門で
新潟県の将軍杉1931cm、鹿児島県屋久島の縄文杉1610cmについ
で3番目の巨木となっている。


片貝川河口

片貝川河口から能登半島

河口まで急流の早月川

早月川河口から魚津市街

早月川河口からミラージュプールの三連スライダー

早月川河口からミラージュランドの観覧車

あいの風とやま鉄道の列車から魚津総合公園

あいの風とやま鉄道の列車から魚津水族館とミラージュランドの観覧車