2023/07/17 更新
 城端線の砺波市へ入って最初の駅が油田駅である。この駅は1897(明治30)年5月に城端線の開通時に地元の大地主桜井家が株主となり土地を
提供して駅舎が造られた。この駅は1920(大正9)年に立て替えられ、以後70年間も使用された。かつては行き違い可能駅だったが、現在は片面
ホームの無人駅となっている。ホーム駅舎の向側にホームの跡が一部が残っている。
 駅前には、油田郵便局、若鶴酒造本社工場、砺波市油田体育館、油田自治振興会館、大阪屋ショップ砺波店がある。近くには松下電器などの工場も
多いが通勤はマイカー利用がほとんどで列車の利用は少ない。駅前のJAとなみ野油田支店は廃止されたが2023年時点でATMが稼働している。
 若鶴酒造本社入口に、大正11年に建てられた『大正蔵』があり同社の創業150周年記念行事で2012年末に改修された。若鶴酒造本社では毎
年、5月の第4土曜日に若鶴蔵祭りが開催される。2015年5月23日の若鶴蔵祭りには、車では酒が飲めないため大勢の人が城端線で訪れ、遅延
などの問題が発生したため、JR西日本金沢支社は2016年の蔵まつりでは車両の増結と臨時駅員の配置で対応した。
 駅から砺波寄りの駅舎の反対側には、チューリップ畑が広がりゴールデンウィーク前には花を前景に城端線列車を撮影する鉄道ファンで賑わう。以
前の暗い塗装はチューリップ畑には映えなかったが、気動車の単色化で朱色に変更され少しは良くなった。
 駅に土地を提供した大地主桜井家の屋敷が駅近くにあったが、子孫の方は東京在住で、屋敷の大部分が砺波市に寄贈され、砺波市はここを老人福祉
センター麦秋苑として一般に開放している。老人福祉センターだが、砺波市民なら一般の人も利用可能となっている
 駅近くに三郎丸四ツ柱神社がある。毎年11月3日に秋季例祭として獅子舞が奉納される。三郎丸の獅子舞は砺波獅子といい、胴幕の中へ獅子頭・
尻尾を含めて5〜6人の大人が入る「百足獅子」。胴を大きく見せるため、中に竹の輪が入るのが特徴で、獅子の相手(シシトリ)は、小学生の子供
たちが行う。


油田駅舎

到着するキハ47-138+キハ40-2136城端行き

元JAとなみ野油田支店 ATMのみ稼働

元桜井邸の老人福祉センター麦秋苑

鶴酒造本社の大正蔵

鶴酒造本社の門柱プレート    ヒスコムは若鶴系列の物流IT会社

若鶴酒造本社の大正蔵内部

若鶴酒造本社の大正蔵の醸造タンク

若鶴酒造 ウイスキー三郎丸醸造所

若鶴酒造令和蔵 体験型施設売店併設

2016年の若鶴蔵祭り開催中の大正蔵前

大阪屋ショップ 砺波店

三郎丸四ツ柱神社 祭礼の翌日撮影

四ツ柱神社前から立山連峰薬師岳

パナソニック インダストリー(株)富山

若鶴蔵祭り会場

四ツ柱神社隣の三郎丸公民館

※百足獅子は石川県から富山県西部を中心とした範囲に渡り伝承される。百足獅子と呼ばれる形式の獅子舞は長野県飯田市と山形県長井市や白鷹町に
 も見られるが、それを除くと旧加賀藩領以外では見られない、富山県東部ではほとんど野地区で四つ足の獅子舞が奉納される。


小矢部市埴生宮崎町の百足獅子  高岡獅子舞大競演会