2023/07/20 更新
　城端線新高岡駅は北陸新幹線新高岡駅が開業した２０１５(平成２７)年３月１４日に開業した。片面ホームの無人駅。駅の西側から当駅と新幹線駅
への跨線橋がある。城端線の駅では高岡駅以外で唯一ＩＣＯＣＡなどの全国共通ＩＣ乗車券が使えるが、誤乗車が多く問題になっている。乗降者数は
城端線の駅では最も多い。２０１９年の国土交通省のデーターでは８１６４人となっているが、新幹線の乗降者数４０８２人を引くと４０８２で２位
の砺波駅の２３４４人を大きく引き離している。
　駅前には大型ショッピングモールのイオンモール高岡や、高岡スポーツコアがあり、中学、高校生の利用が多い。かつて二塚駅から歩く姿をよく目
にした。高岡スポーツコア付近に済生会高岡病院、済生会高岡なでしこ保育園、高岡テクノドーム富山県産業創造センター、タカギセイコー本社があ
る。タカギセイコーは２０２３年５月から万葉線ラッビング者のスポンサーとなった。
　高岡スポーツコアとほぼ同じ距離に高岡おとぎの森公園かある。公園は１９９６年、「第１３回全国都市緑化とやまフェア(とやま緑化祭)」に合わ
せて高岡市が都市公園として整備した。
　園内の広い芝生の中央を千保川が南北に流れ、左岸の親水施設「かっぱの広場」は、夏になると涼を求めて水遊びする子どもたちで賑わう。シンボ
ル施設「おとぎの森館」周辺では「メルヘンガーデン」などに計６７種類６００株のバラが植えられ、春から秋まで花と香りで彩る。冬は地元有志が
育てた寒ツバキや山野草などの鉢植え展が恒例行事となっている。
　天窓を備えた吹き抜け構造の同館アトリウムは、天候が悪くても光が差し込む明るい空間で、テーブルを囲んで会話を楽しむ市民も多い。敷地面積１１ヘクタールで東京ドームの約２.３５倍の広さ。高さ３８.２ｍの「おとぎの森館」を中心に２階建てログハウス「こどもの家」や、長さ約３０.８
ｍの大型滑り台とターザンロープなどの複合遊具、高さ１０.５ｍのツインタワー型見晴らし台「風の砦」、ドラえもんに登場する土管を積んだ「ドラ
えもんの空き地」などが設けられている。子供たちに人気で遠足シーズンには富山、石川ナンバーの観光バスで駐車場がいっぱいになる。
　おとぎの森館は入場無料で９時から１７時まで開館、毎週火曜日が休館日となっている。おとぎの森館以外は全日利用できる。
　高岡駅側には国宝瑞龍寺がある。瑞龍寺は高岡の開祖前田利長公の菩提寺として加賀藩三代藩主前田利常(利長異母弟→養子)が建立した曹洞宗の名
刹。典雅な美しさの壮大な伽藍配置様式になっている。山門、仏殿、法堂が１９９７年に富山県内で初めて国宝に指定された。
山門は重層入母屋造りの柿葺きで総欅造り、上層に宝冠釈迦如来と十六羅漢、下層左右に金剛力士像を配置している。仏殿は屋根が本瓦形鉛板葺きに
なっており、約４７トンの重さがある。内部には高さ６尺の須彌壇創建当時の天蓋などがある。
　法堂は銅板葺き総檜造りで仏殿の約２倍の広さをもち、内陣には利長公の位牌が安置されている。禅堂は１７４６年に焼失した直後に再建されたも
ので国指定重要文化財となっている。大庫裏は結露を防ぐために天井には漆喰が塗られ曲線になっている。建物正面に韋駄天尊像が安置される。
　法堂北側の「大茶堂」防火建造物である土蔵造りの手法を用い、外壁を大壁とし、内部は土天井とするなど大変珍しいもので、外観は僧堂と似てい
る。北回廊の一部として国指定重要文化財となっている。
　この他、北回廊に鐘楼があり、南西回廊の奥に前田利長、前田利家、織田信長、同室正覚院、織田信忠を祀る５つの石廟がある。かつては七間浄頭
と浴室もあり、七堂伽藍がそろっていた。取り替えた法堂の鬼瓦も庭に展示されている。