あいの風とやま鉄道高岡駅前・ＪＲ新高岡駅前から世界遺産バス白川郷行きで、世界遺産相倉集落は相倉口、世界遺産菅沼集落は菅沼下車。所要時間は相倉口まで約１時間５０分、菅沼まで約２時間５分、西赤尾までは約２時間１０分。１日４往復だが両集落での滞在時間を考慮したダイヤとなっている。ＪＲ城端駅前も通るので、城端からは相倉口まで約２５分、菅沼まで約４０分。利用される場合は加越能バス式ＨＰで確認してください。

　五箇山は赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷の５つの谷から五箇谷間となり、これが転じて「五箇山」の地名となった。五箇と呼ばれる地名は全国に約１２０箇所あると言われ、平家の落人伝説が「五箇」の地名に多いのは「五箇」が山間地に多いことや落人が山間に逃げることから源平合戦があった近隣の地域に伝説が多い。富山県では倶利伽羅で源平合戦が行われ、木曾義仲率いる源氏が勝利した。
　五箇山には沢山の合掌集落があったが、国道１５６号線から離れた集落は次々に廃村になったり、またダム湖の底になるなどして相倉、菅沼以外の集落は消滅した。集落にあった合掌造りは各地に移築されている。下呂温泉合掌村には白川郷や五箇山から１０棟もの合掌造り家屋が移築されている。
　五箇山は世界的にみても有数の豪雪地帯であり、傾斜の急な大きな屋根を持つ合掌造りの家屋が生まれた。残った南砺市相倉地区や菅沼地区の合掌造り集落は１９７０年１２月４日、「越中五箇山相倉集落」「越中五箇山菅沼集落」として国の史跡に指定され、１９９４年には重要伝統的建造物群保存地区に選定された。また、隣接している岐阜県大野郡白川村の白川郷とともに「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として１９９５年１２月世界遺産に登
録されている。
　越中五箇山は民謡の宝庫と言われ、口伝えで伝承され発展してきた文化遺産であり、麦屋踊は、代表的な「こきりこ節」や「麦屋節」は、１９７３(昭和４８)年１１月５日に「五箇山の歌と踊」の中の一曲として、国の選択無形民俗文化財に選択されている。代表的な民謡に、こきりこ節、麦屋節、古代神、四つ竹節、といちんさ節、お小夜節などがある。
　毎年９月２５、２６の両日、合掌造り家屋村上家近くの白山宮境内では、こきりこ祭りが開催される。国道１５６号線の国道３０４号線起点近くにある地主神社境内では毎年９月２３、２４の両日、五箇山麦屋祭りが開催される。
　白川郷は東海北陸自動車道全線開通前から観光地化されていたが、全線開通後は五箇山ＩＣ近くの菅沼集落を訪れる人が圧倒的に多くなり、観光地化し始めている。公共交通で訪れる場合、まだ訪れる人が少ない相倉集落がお勧め。菅沼集落は標高が低いのと庄川の辺りということもあって相倉集落より雪解けが早い。羽場家は平地区田向と上平地区小瀬の２カ所にある。小瀬集落は、ほぼ消滅集落状態になっている。小瀬集落の下を東海北陸自動車道が袴腰トンネル(5.939km)で通り抜けている。