高岡の伝統的建造物保存地区は、山町筋重要伝統的建造物群保存地区と金屋町重要伝統的建造物保存地区から成っている。
1.山町筋重要伝統的建造物群保存地区
保存地区内には、黒漆喰の土蔵造りや真壁造りの町家、前面を洋風に仕上げた町家、レンガ造りの洋風建築の銀行など、明治中期から、大正、
昭和初期に建築された伝統的な建造物が残っている。
ここは、江戸期の初めに成立した城下町の骨格を残しながら、明治33年の大火後に当時の防災計画に従って再興された町が、国の重要伝統
的建造物群保存地区に選定されている。
山町とは毎年5月1日に行われる高岡御車山祭の曳山車を所有する町の名称で、通町、御馬出町、守山町、木舟町、小馬出町、一番街通、
二番町に先導する獅子頭を所有する坂下町で、御馬出町、守山町、木舟町、小馬出町に伝統的建造物が残っている。一番街通という町は無く、
一番町、三番町、源平町の3町が共同で持っている山車の名称で山町は10町となる。
2.金屋町重要伝統的建造物保存地区
金屋町は、中心市街地に近く、かつては高岡銅器産業の中心として栄えた。1609年、加賀藩の藩主・前田利長が高岡城を築城、高岡の町
を開いたとき、町の繁栄を図るため、1611年(慶長16年)に金森弥右衛門ほか7名の鋳物師を礪波郡西部金屋村(現:高岡市戸出西金屋)か
ら現在の金屋町に移住させたため、高岡銅器産業の中心となった。
現在も千本格子造り(高岡では「さまのこ」と言う)の街並みが残り、高岡市の観光地のひとつになっている。
2012年12月に鋳物師町として初めて国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されている。毎年6月に地域の祭りとして前田利長の
遺徳を偲び御印祭(ごいんまつり)が行われる。
石畳通りに鉄瓶を販売する、まちの駅「鉄瓶屋」があり、鉄瓶屋の向かいにの高岡市鋳物資料館がある。鋳物資料館は無料部と有料部があり、
有料部は高校生以上210円、中学生以下は無料。
萬年山宗泉寺の前を北東へ歩くと鋳物工房利三郎があり、鋳物工場の見学と鋳物の体験ができる。見学は無料だが電話(0766-24-0852)での
予約が必要。
10時〜17時まで営業、鋳物体験をする場合は3000円の実費が必要。鋳物は銅や鉄は高温で危険なので低温で溶ける錫を使
用して文鎮や風鈴を鋳型作りから体験できる。
鋳物工房利三郎に向かって右隣にNHK−BS「にっぽん微笑みの国」で紹介された神初製作所がある。
高岡銅器のブランドを金屋町から発信する「KANAYA」(三協アルミ創業者竹平正太郎氏の生家)の2階に竹平正太郎記念館が併設された。 |