北陸のローカル鉄道の現況    2016/08/15 更新

 H.Suwaが独断と偏見で記載しています。
JR西日本城端線

城端駅を発車した高岡行き

平日の城端駅パーク&ライド駐車場

越中山田駅付近で東海北陸自動車道と交差

 城端線は一般の利用客が非常に少ない。沿線の散居村地区では家族の数以上に車がある状況では、現状(1時間に1本の運行)のままで
は乗客が増える見込みは全く無い。城端、福光、福野駅の大駐輪場が示すように砺波、高岡の高校への通学輸送のみという状況で、貨物
輸送のない城端線は全線廃止か。但し、廃線が検討されるのは鉄道の使命を終えた三江線廃止の後。
  福光駅や城端駅にパーク&ライド駐車場が整備されているが、パーク&ライド駐車場を利用する人は富山市や金沢市へ通勤する人が多
く運賃が高くなる福光や城端を敬遠し、あいの風とやま鉄道の福岡駅や石動駅のパーク&ライド駐車場を利用する。
 新高岡駅は富山空港のような無料大駐車場を確保しない限り、利用客を確保するのは難しい、現在の列車本数では北陸新幹線の乗り継
ぎに城端線は利用される見込みはほとんど無い。また新高岡駅に
速達タイプの「かがやき」が停車しないため、氷見・射水方面、南砺方
面、現駅北側の高岡市民も北陸本線から転換した、あいの風とやま鉄道、高速道路(高速バスも含む)で直接富山駅へ行く事になり新高岡
駅が利用されていない。ただ、関西方面への特急が金沢止まりになったため、新幹線利用者無料の駐車場を利用して金沢(関西)方面へは
利用されている。
 高速道路との競争激化や少子高齢化などの影響で山陽新幹線や在来線特急の乗客が減少し、JR西日本の経営を悪化させ、年間数億円
の赤字を出す城端線を維持することは考えにくい。

JR西日本氷見線

休日の氷見駅は観光客の姿が

雨晴駅付近からの立山連峰

高岡市吉久のJR貨物高岡貨物駅

 行商の魚売りや、大勢の海水浴客を運んだ氷見線も終焉の時が近づいているのか。氷見からは海老坂越えの国道160号線と海岸廻り
国道415号線の2本の幹線道路が高岡市に通じている。ここにきて能越自動車道が開通して乗客は減る一方である。そうなれば貨物輸
送のない能町駅−氷見駅間は廃止か。日中の氷見駅の乗降客は万葉線の越ノ潟と大して変わらない。
 日中の公共交通利用は乗り換えなしで高岡へ行ける、石川県境付近から走ってくる加越能鉄道の路線バス利用に移っている。加越能バ
スの料金値下げで高岡駅−氷見駅間はバスの方が安くなった。鉄道の廃止は認可制から届出制になった今、JRでの存続は不可能。廃止
する場合は越中中川まではJR北陸本線を引き継いだ、あいの風とやま鉄道が運行する。通学時間帯の城端線列車はすべて越中中川まで
運行する。高岡市吉久にJR貨物高岡貨物駅があるので高岡−能町間は廃止後も線路は残る。
 観光列車で城端・氷見線の直通運転が予定されているが、高岡駅通過に20分間をみている。1、2分で通過させるには何カ所ものポ
イント(分岐器)が必要で数十億単位の費用が発生する。そこまでして直通化させる必要があるか疑問。
 高速道路との競争激化や少子高齢化などの影響で山陽新幹線や在来線特急の乗客が減少し、JR西日本の経営を悪化させ、年間数億円
の赤字を出す氷見線を維持することは考えにくい。

富山ライトレール富山港線

岩瀬浜カナル会館前を走るTLR0606号

岩瀬の観光基地カナル会館

富山駅北へ到着するTLR0601号

 日本初の本格的LRTとして運行を開始。全車両をLRV(超低床車)で運行するのも初めて。全線富山市内を走っているため潜在需要
があり、岩瀬地区の観光利用も期待できる。1車輌当りの定員が少なく通学輸送が問題。また、全車両LRVのため冬季の積雪が心配さ
れているが暖冬のため、まだ未経験。開業後の輸送人員はJR富山港線を上回り順調に伸びている。輸送人員は現在も当初予想より大幅
増で推移している。富山市は環状線の開業、富山港線と市内軌道線の接続、地鉄上滝線のLRT化など、LRTを都市機能の一部として
取り入れ高齢化社会に対応する。
 現在、市内軌道線を運行する富山地方鉄道とは別会社となっているが、現在は鉄道の上下分離が可能に法改正が行われたため、市内軌
道線乗り入れ時点で上下分離され運行は富山地方鉄道、施設保有は富山市または富山ライトレールになるのではないか。現在も運行業務
は全て富山地方鉄道に委託されている。

JR西日本高山本線

社会実験で造られた婦中鵜坂駅

風の盆輸送の4両編成

八尾駅前のフィーダーバス

 この路線は1年に3日間、大都市のラッシュ時並に混む時がある。それはおわら風の盆で4両編成でも満員であり高山本線の重要な収
入源となっている。また、速星、八尾地区は富山市のベッドタウンとして発展しており平成の大合併でJR西日本区間全てが富山市とな
り、富山市よって増発社会実験も行われた。2008年3月に新駅の婦中鵜坂駅が臨時駅として開業し、2014年3月15日に常設駅
となっている。
 富山−越中八尾間が30分間隔になり乗客も増え、富山県内の鉄道が軒並み輸送人員を減らす中、高山本線のみが唯一増加に転じた。
(富山ライトレール、万葉線は微減)
 
増発社会実験が終了して富山−越中八尾間が1時間間隔、越中八尾−猪谷間が2時間間隔に戻っている。2005年10月のダイヤで
は富山−越中八尾間が平日17往復と富山−速星間が1往復で、2015年3月のダイヤでは20往復と3往復社会実験の列車が通勤通
学時間帯に残っている。この他にJR東海の特急「ひだ」が4往復走っている。富山−越中八尾間の特急料金は750円。

 何も手を打たなければ利用客はどんど減り続け、有効な対策をすれば利用客が増える事を社会実験は証明した。

富山地方鉄道本線

電鉄富山駅を発車した特急列車

列車本数が多い常願寺川橋梁付近

黒部宇奈月温泉駅ホームから新黒部駅

 電鉄富山−滑川間では通勤・通学輸送に重要な役割を果たしており、北陸本線が第三セクター化された場合でもこの区間は存続する。
沿線の各自治体では新駅の増設やパークアンドライドの駐車場の設置で電車の乗客と住民の獲得に力を入れている。
 北陸新幹線長野−金沢間が2015年3月に開業し、黒部・魚津地区では新幹線連絡鉄道の役割を担う。黒部宇奈月温泉駅は、新高岡
駅同様パークアンドライド大駐車場が整備されるので地元客の利用は厳しい。宇奈月温泉の送迎バスや黒部峡谷鉄道のシャトルバスが黒
部宇奈月温泉駅へ乗り入れれば宇奈月温泉−新黒部間の存続はむずかし、特に黒部峡谷鉄道のシャトルバスは通過型観光になり温泉街の
衰退をもたらすが、幸い送迎バスや、シャトルバスの乗り入れは行われていない。新幹線開業前の2015年2月26日に新黒部駅が開
業している。
 富山地方鉄道の一番の問題点はあまりにも運賃が高いことで、第3セクター化して運賃を下げない限り利用は増えない。最近は空気を
運ぶより、乗客を運ぼうと言うことで、観光列車フリーきっぷ(1500円)や全線1日フリーきっぷ(2500円)などの格安乗車券が販
売されるようになった。これらの乗車券は他の鉄道のように土日祝日限定の条件がないので、通院やショッピングにも利用できる。

富山地方鉄道立山線

稚子塚駅を通過する特急「アルペン4号」

多段の滝では落差日本一の称名滝

アルペンルート室堂のみくりが池

 この路線は立山黒部アルペンルートへの観光客輸送と立山町の通学輸送が主である。観光輸送を主としているのにメインルートの電鉄
富山−立山間の特急は片方向の立山行き1本のみで鉄道利用を不便なものにしている。
 電鉄富山−立山間のノンストップ特急を運転し、大都市での営業活動に力を入れ観光輸送に特化して存続を図るべきである。ノンスト
ップ特急は運転停車を無くし(正常時ダイヤでは必ず普通列車が先着して待つ)寺田も通過する。
常願寺川沿いでは岩峅寺−立山間でトロ
ッコ列車も運行する。
  首都圏では公共交通の便利さからマイカーを持たない人も多くやり方次第では鉄道利用の登山客確保も可能。北陸新幹線長野−金沢間
開業で夏山シーズンは多くの登山客が乗るようになった。本線列車に比べると夏の立山線は乗客が多い。

富山地方鉄道上滝線

小杉駅を発車した電鉄富山行き

大川寺駅発車時の17480形車内

月岡駅での10030形の行き違い

 平成の大合併で終点の岩峅寺以外は全て富山市内を走っており、住宅地の伸展に伴い運行形態も変更すべきか。日中の岩峅寺口での輸
送人員は極端に少なく2、3人で0人の場合もある。こんな状態で発車した列車も上滝駅から乗客が増え始め、下校の通学時間帯なら小
杉駅から女子高生が多く乗り込み車内は一気に賑やかになる。小杉駅最寄りの富山南高校は共学校だが、男子生徒は自転車通学が多い。
 通勤通学輸送は南富山で市電に乗り換えるパターンが多く、南富山−布市間の乗客が多くなっている。また、利用客のほとんどが通勤
通学の定期利用客である。
 2008年4月1日から「おでかけ定期券」を利用することにより富山市民で65才以上の人は往復200円で電鉄富山駅へ行けるよ
うになった。この制度は福祉目的よりも中心市街地活性化を目的としているため降車駅が電鉄富山駅、南富山駅のみなど制約条件が多く
高齢者対象のショッピングセンター「アピア」のある稲荷町駅では下車できない。地鉄を頻繁に利用する高齢者は地鉄が63才以上に発
行するゴールドパスが便利で、年間定期だと1日あたり188円、1カ月定期では240円となる。

富山地方鉄道市内軌道線

T103南富山駅前行き 富山駅前

環状線9003 富山駅前

7022レトロ電車 五幅末広町

 富山市内軌道は不採算路線の廃止が行われ、優良路線のみが生き残っているが、日中は輸送のほとんどが西町−富山駅前間に集中して
いるが均一料金のため赤字とはなっていない。南富山付近と大学前付近に高校があり、通学輸送でも重要な役割を果たしている。5〜1
0分間隔で走る路面電車は富山市内での移動を便利なものにしている。路面電車が廃止された金沢市ではどのバスに乗ったら目的地へ行
けるのか判りづらい。また市外からの観光客はどのバスに乗ったら目的の観光地へ行けるか判らないので、行き先が観光地に限定される
キャパの小さい金沢周遊バスはいつも満員。
 2009年12月23日に環状線が開業したが、今のところ富山駅前−西町間の乗客を奪っただけで、新たな需要の掘り起こしには至
っていない。(珍しさや、子供や孫を乗せて何周かする遊園地代わりの需要がある。)

万葉線竃恬t線

末広町駅を発車したドラえもんトラム

7073越ノ潟行き 庄川橋梁

射水市コミュニティバス 越ノ潟駅

 2002年4月1日から全国初の第3セクター路面電車として新会社による運行が開始された。車両や駅は明るくなったが、少子化の
影響から利用者が増える見込みはない。収支を問題にすれば存続はむずかしい。高岡、射水両市のコミュニティーバスと万葉線を活用し
た公共交通網整備で潜在需要を開拓できるか、年間定期券や学期定期券の発行で通学利用客を増やしたが、更なる自転車通学者を万葉線
利用に転向させられるか。
 第3セクター化後は自治体の支援や、イベント輸送などで利用客は微増を続け2007年からは微減に転じたが、2010年からは再
び増加傾向となっている。
 2012年9月から運行を開始したドラえもんトラムが人気を集め、運行は5年目に入っている。ドラえもんトラム乗車が台湾からの
ツアーに組み込まれるなど人気が続いている。

JR西日本七尾線

敷浪駅に到着する415系七尾行き

能登二宮駅付近を走る683系七尾行き特急

七尾市中島から和倉温泉街

 和倉温泉まで電化されたが、七尾−金沢間に1時間20〜30分を要している。交換駅での待ち時間が多くもっとスピードアップすべ
きである。北陸鉄道の特急バスは1時間20分で走っている。料金はバス1310円、電車1280円でJRの方が僅かに安い。七尾口
の各駅にはパーク&ライドの駐車場が自治体の手で整備されている。電化を機に線形が改良され、交換可能駅は1線スルーとなり特急は
七尾−金沢間を1時間以内で走っている。
 特急列車は和倉温泉への観光客輸送が目的のため、主要駅の津幡や宇ノ気に停車する列車は少ない。金沢−宇ノ気間は特急17分、普
通25分で停車のメリットが少ないためか。

北陸鉄道浅野川線

大野川橋梁を渡る8900系内灘行き

地下にある北鉄金沢駅

百万石まつり当日の割出駅

 内灘地区は金沢市のベッドタウンとして発展が目覚しく、金沢口の車の渋滞から利用者が増え始めている。北鉄金沢駅の地下駅が完成
し更に都会的な電車になり、利用客も増加が期待される。利用客のほとんどが終点内灘までの直通客であり、2000年3月のダイヤ改
正では急行が増便されたが、2006年のダイヤ改正では急行を運行しても時間短縮にはならない為、通過駅での乗車機会を増やすため
すべての列車が各駅停車となった。
 この路線は1年に一度大混雑する時がある。それは加賀百万石まつりが開催される日で、北鉄金沢駅到着時には身動きがとれないくら
いの超満員となる。混雑する時間帯は車掌が乗務し、通常は折り返して内灘に向かうが車内温度が上がるため、到着車両は使わず、反対
側ホームで待機している冷やした車両を使用する。この日はマイカーで出掛けても駐車する場所が無く、バスは渋滞に巻き込まれ電車が
一番!。2015年は6月6日(土)に開催された。

北陸鉄道石川線

7700系野町行き 鶴来駅

金沢駅方面連絡バス 野町駅前

新駅の陽羽里駅

 JR金沢駅と繋がっていないこともあって日中は閑散としている。電車は全て2連であるが、ワンマン運転のため乗客が乗っているの
は先頭車両だけである。北陸鉄道では日中空の2両目を利用して自転車を電車に持ち込めるサイクルトレインを実施している。持ち込め
るのは高校の夏休み期間中と日曜、祝日となっている。地下鉄で浅野川線と繋がり、JR金沢駅乗り入れが実現すれば乗客の大幅な増加
が見込める。2006年のダイヤ改正では準急を運行しても時間短縮にはならない為、通過駅での乗車機会を増やすため、すべて各駅停
車となった。
 2008年11月に鶴来−加賀一宮行間の末端区間が廃止され、残った区間も減便となった。廃止理由は設備の老朽化に対応できない
ということで野町−鶴来間も同様だが、白山市などの補助金で運行を継続している。
 2015年3月、白山市が開発している大規模住宅団地に新駅の陽羽里駅が誕生した。この路線は金沢市、野々市市、白山市を走るが
各自治体の路線への対応には温度差がある。

のと鉄道

能登中島駅に停車中の「能登里山号」

NT211穴水行き車内

穴水駅に停車中のラッピング車両

 2001年3月に穴水−輪島間が廃止されたが、穴水−蛸島間も2005年3月をもって廃線となった。穴水−七尾間は、七尾、七尾
商業、七尾城北、鴨学園、田鶴浜、中島、穴水の各高校への通学需要があり、氷見線などと状況は同じで、当分は存続する。ただ少子化
により高校の配置が見直され中島高校は廃校となった。穴水町の能登鹿島駅はホームが桜並木になっており、毎年開花時期には大勢の花
見客が訪れる。
 2015年4月29日から観光列車「能登里山号」の運行を開始した。使用車両はNT200形をベースに観光仕様で新製されたNT
300形。土日祝日に飲食プランのある「ゆったりコース」を5本、月火木金曜に1両を普通列車に連結して3往復運行している。

福井鉄道福武線

田原町駅で相互乗り入れを行うF1001

泰澄の里駅に停車中の770形

越前武生駅の770形とF1002

 JR北陸本線と平行しているが駅の数が多くこまめに停車することで乗客を獲得している。土、日、祝日もショッピングセンターベル
への買い物客の需要もある。市役所前−田原町間は時間がかかり利用が少ない。グループ会社の名鉄の路面電車タイプを導入しホームを
嵩下げしてLRT化された。
 2007年にグループ会社の名鉄が福井鉄道から撤退を表明し、福井鉄道は福武線沿線自治体に第3セクター化を提案した。
全国で初
めて鉄道事業再構築実施計画
を国土交通省から認定された。福井鉄道は1種鉄道事業者のまま、10年間で福井県から21億円、国から
10億円の設備投資補助を受け更に鉄道用地を沿線の福井、鯖江、越前の3市に売却し3市から無償で借りることにより固定資産税の負
担を無くす。
 
元々福井市内−武生新間390円で運賃は安かったが、休日フリー乗車券により550円で往復できるようになり、休日の乗客は増加
している。普通運賃は現在、福井市内区間(田原町−商工会議所前)−越前武生間が400円となっている。
 2016年3月にえちぜん鉄道と相互乗り入れと福井駅前へ150m延伸が行われた。、大名町交差点の短絡線設置が予定されている
が実施が遅れている。

えちぜん鉄道勝山永平寺線

東藤島駅を発車したMC6101+MC6102

勝山駅に到着した「きょうりゅう電車」

改築された勝山駅

 京福電鉄越前本線は第3セクターえちぜん鉄道に引き継がれ勝山永平寺線として存続することになったが状況が厳しいことに変わりは
ない。喘ぎながら走っていた京福時代に比べ線路や車両が格段に良くなり、また沿線自治体の努力もあって乗客は微増を続けている。休
日フリー乗車券800円の浸透で休日も2両編成で走る列車が増えている。
 えちぜん鉄道では2003年7月の開業以来アテンダントが乗務している。乗務するのは10時台から16時台に運行する列車で車内
で高齢者や障害者の手助けをしたりフリー乗車券を含む乗車券の発券や沿線の観光やイベントの案内、グッズの販売などを行っている。
  2014年に勝山駅と永平寺口の駅舎が改築された。勝山市の県立恐竜博物館がリニューアルオープンしてからは博物館を訪れる人が
増え、MC7000形2両編成の予約制「きょうりゅう電車」が運行されている。

えちぜん鉄道三国芦原線

三国港駅のMC6110+MC6109福井行き

芦原温泉最寄りの あわら湯のまち駅  

新田塚駅に停車のL-01越前武生行き

 京福電鉄三国芦原線は第3セクターえちぜん鉄道に引き継がれ存続することになったが状況が厳しいことに変わりはない。1年に1度
三国の花火大会では鉄道の輸送力を見せつける。新田塚までは市街地を走るため潜在需要があり2007年に新駅の八ツ島駅と日華化学
前の2つの駅が新設された。2015年9月27日には新駅まつもと町屋駅がも開業した。
 2016年3月27日に福井鉄道との相互乗り入が開始された。相互乗り入区間は、鷲塚針原−越前武生間で急行列車が運行されてい
る。相互乗り入区間はフェニックス田原町ラインの愛称が付けられている。

JR西日本越美北線(九頭竜線)

福井駅越美北線ホームの越前大野行き列車

福井駅に到着した3両編成の724D列車

九頭竜湖駅前の恐竜の親子像

 谷筋を走る越美北線は国道158号線に完全に平行している。観光シーズン以外は乗客のほとんどが福井−越前大野間の利用であり、
国道が整備された現在、大野−九頭竜湖間はバス代替が可能であり将来は非常に厳しい。
 2015年9月現在、大野−九頭竜湖間は1日わずか5往復である。高校生の通学輸送のみか。福井−越前大野間も1日わずか9往復
である。勝山市までのえちぜん鉄道33往復とは比べものにならない。
 全列車がキハ120形で運転され、ほとんどの列車が単行の1両編成で運転されるが、福井駅−越前大野駅間ではラッシュ時の一部列
車は2両編成、平日朝の上り1本は3両編成で運転されている。越前大野駅−九頭竜湖間はすべて単行。2両編成列車は越前大野で分割
・併合する。輸送密度は2014年度463人。(大糸線のJR西日本区間108人、三江線50人(JR線最低))

JR西日本小浜線

敦賀行き125系3連 美浜駅

小浜駅舎

若狭本郷駅舎

 小浜市は福井県ではあるが京都府の舞鶴市と結びつきが深い。小浜市より東側では流れは敦賀へ向かっている。沿線には原子力発電所
が多く立地し、こんなに電気を作っているのに、何で小浜線を気動車が走っているのかと地元の人は長年悔しい思いをしてきたが、よう
やく電化されて新車が投入された。
 北陸本線の敦賀まで直流化された福井県嶺南地方は福井より滋賀県、京都府との結びつきが強くなっている。電化に伴いホームは整備
され、駅舎も「電源立地地域対策交付金」で立派なものが新築されている。また、原発による交付金があるため、元々の無人駅以外は自
治体の依託駅員が配置されている。
 かつては特急列車も走ったが、福井県嶺南地方の長距離輸送は舞鶴若狭自動車道を走る高速バスが担っている。