最終更新日:2020/02/23
最終取材日:2008/04/06
かと
路線:JR西日本小浜線
勢浜 ← 加斗 → 若狭本郷
所在地:福井県小浜市加斗37-7

加斗駅舎  2本の木は後に伐採された

停車中の125系931M敦賀行き Mpc125-13+Mpc125-15

 加斗駅は敦賀から工事を始めた小浜線が若狭高浜駅まで開通した19
21年(大正10)年4月3日に開業した。駅舎は当時のものが使われて
いる。片面ホームであるが、かつては交換可能駅だったので島式ホーム
のように見える。線路を撤去した後が草に覆われて残っている。
 駅舎には理容店が入っていて、理容店の営業中は店主が切符の販売を
行っている。駅舎入口の左側に理容店のサインポールがあり、待合室の
中にもある。
 駅前に駐車場と舞鶴側に駐輪場がある。ここの駐輪場を利用するのは
中学生らしく、駐輪場に氏名を書いたヘルメット収納箱が並んでいる。

 加斗の集落は小浜側の海寄りにあり加斗小学校と加斗保育所がある。
中学校は2駅先の小浜駅近くにある小浜第2中学校へ電車通学となる。
 駅の西側約1kmに舞鶴若狭自動車道の小浜西インターがある。ホー
ムからは国道27号線とインターの連絡道路が見える。舞鶴若狭自動車
道は現在小浜インターが終点であるが、敦賀インターまで2014年度
に開通した。2020年現在、ホームの南側は舞鶴若狭自動車道となっ
ている。
 駅舎前の2本の木は伐採されて無くなったが、桜の木は残っている。
    

駅前の桜

駐輪場前のヤマツツジ

ホームから勢浜方向

ホームから若狭本郷駅方向

ホームの駅名標

ホーム入口から勢浜駅方向

行き違い設備撤去跡

ホームから駅舎

駅舎の待合室

駅舎の理容店

駅舎入口

現在の駅舎        Googleマップから

駐輪場          Googleマップから

奥の駐輪場

名所案内板

ホームの待合室

ホームの待合室

駅舎側からホーム

ホームと駅舎の出入口

きっぷ・運賃回収箱

理容店のきっぷ売り場

ヘルメット収納箱付の駐輪場

僅か700mの県道148線標識

駅前の駐車場

ホームから小浜西IC

名所案内板の蒼島

到着する125系931M敦賀行き

到着する125系931M敦賀行き

到着する125系931M敦賀行き

停車中の125系931M敦賀行き

発車した
125系931M敦賀行き

発車した
125系931M敦賀行き

 加斗駅を訪れてから12年経過しフォントと画面サイズ変更でインターネットで調べていたら中日新聞Webに記事があったので転載。

駅舎入口     2008/04/06

駅員室を改装した「ヘアーサロンつかもと」の店内を見せる塚本さん

中日新聞Webの記事 2018年11月15日 紙面から
駅員室内に理髪店 JR小浜線加斗駅
 赤、青、白の縞模様のサインポールが駅舎の前でくるくる回る。小浜
市のJR小浜線加斗駅は全国でも珍しい理髪店のある駅だ。駅員室を改
装した「ヘアーサロンつかもと」を営む塚本朝子さん(70)は、8月
に夫で理容師の久夫さん享年(74)を亡くした後も、切符販売を請け
負いながら切り盛りを続ける。
 店の歴史は1951(昭和26)年、理容師だった朝子さんの父武良
さん(故人)が駅舎前の借地に小屋を構えたところから始まる。蒸気機
関車が走った当時の駅員室には3、4人の乗務員が詰め冬場にはストー
ブがたかれた。通学で駅を利用していた朝子さんも「駅員室に入れても
らい、暖を取ったのが思い出」と振り返る。
 にぎやかだった駅も、71年に同線から蒸気機関車が引退したことで
簡素化が進められ、73年には無人駅に。同じ頃、朝子さんは久夫さん
と結婚し、理髪店を継いだ。無人駅になったことを寂しく思い、駅舎に
2人で花を飾ったり、掃除をしたりしてきた。

  

 駅舎に店が移転したのは1995年、借地だった理髪店が立ち退きを
迫られたことから。「店を畳んで働きに出よう」と話し合っていたとこ
ろ、知り合いのJR西日本の社員が切符販売の業務委託を条件に、移転
してはと勧めた。
 以来、正月と盆以外は毎日、店を切り盛りしながら切符販売を請け負
ってきた。駅の利用客はほとんどが定期券を使うが、スクールバスに間
に合わなかった児童がいたり、乗車列車の上下を間違えたお年寄りがこ
こで切符を買って折り返したりしていく。
 のんびりした時間が流れる朝子さんの手元には切符発券用デジタル端
末。たまに地名も知らない遠くまでの切符を買い求める客もいて、乗客
の前で地図を広げ、乗換駅を打ち込んでいく。
 久夫さんは8月、肺がんで亡くなったが、最後まで気にかけていたの
は駅のこと。入院先で朝子さんにうなされながら「切符、切符」と繰り
返した。「恩に感じていたんでしょうね」
 人手がなくなり、理髪店は予約制に切り替えたが、切符販売の窓口は
午前7時20分から午後7時まで開く。「1人で家にいると主人のこと
思い出すもので」。できる限り続けるつもりだ。