小矢部市には、ユニークな公共建物が35施設あります。以前からマスコミ等情報機関によって全国へ紹介され、いつしか「メルヘンの街おやべ」とよばれるようになりました。35のメルヘン建築は地域のシンボル。この35の公共建築物をウオッチ(このページは、22のメルヘン公共建築)。

稲葉山牧野看視舎(昭和55年11月完成)は標高346mの稲葉山にある北欧の山小屋、神戸の異人館の風見鶏と笛吹き少年のイメージ組み合わせ。下界を望む散居村がすばらしい。ふれあい動物広場は4月から開園する。開園時間が9時から16時まで、休園日は、毎週月曜日、12月1日から3月31日までとなっている。うさぎ、やぎ、リス、モルモット等の小動物とふれあうことができる。
石動中学校(昭和59年完成)はキャッスル・オブ・スピリットと呼ばれるスイスの中世の城をモデルに、中央の時計台は英国の国会議事堂のビックベン。1階ピロティは東大法学部、建物は田の字に4ヶ所が吹き抜けになっている。南正門(向陽門)はバッキンガム宮殿の門。東門(成明門))は日比谷公園の霞門。ラン灯は全国道路元標の鈴蘭燈。西門(白馬門)はケンブリッジ大学の尖塔にハーバード大学の唐草模様の組み合わせ、北門(弥生門)はベルサイユ宮殿と迎賓館の旧離宮の組み合わせ。
知的障害者更正施設渓明園
(昭和60年完成)はオーストリアのシェンブルグ宮殿、採光は東京丸の内の三菱銀行本店。
小矢部市教育センター(旧岩尾滝小学校)(昭和61年完成)は中央は札幌農学校演武場(北海道大学農学部の前身)の開拓アーの時を刻む札幌時計台、校舎は旧制金沢第四高等学校・北海道大学理学部、玄関は東大工学部のアーチ、正門(西蹊門)は京都国立博物館。
岩尾滝ふれあいハウス(旧岩尾滝保育所)(昭和53年完成)はビザンチン様式の東京神田お茶の水のニコライ堂(東京復活大聖堂協会)。
津沢小学校(昭和56年完成)は面積の有効活用に留意し、廊下幅を広くとってある。体育館は早稲田大学坪内演芸博物館。
林間休養施設(昭和56年完成)はスイスのチロール風の山小屋。
農林漁業体験実習館
(昭和55完成)中世ヨーロッパのゴシック風寺院建築。
石動幼稚園
(昭和52年8月完成)は長野県松本市開智小学校。
武道館
(昭和56年完成)JR北陸本線の石動駅から高岡方面行き電車で右手側に見える。外観は慶応大学三田図書館、正面に東大工学部のポーチ、内部は長大橋のピアノ線工法を取入れ、ワンフロアー。
トライ工房(旧市民健康センター)(昭和53年完成)はゴシック様式を伝える東京築地の聖路加国際病院、吹き抜け部分の窓はステンドグラス。
正得駐在所(平成4年完成)メルヘンの街の景観に調和した白い建物。
北蟹谷保育所(昭和59年完成)東京工科大学(現東大工学部)中央部分は長崎の大浦天主堂。2020年3月閉所
北蟹谷公民館(昭和57年完成)本体は明治の洋風建築で、国の重文の日本銀行本店(旧千円紙幣裏)塔屋は三越デパート本店。
小矢部消防団薮波分団(昭和59年完成)高さ20mのサイレン塔兼ホース燥室はスイスのチロール地方の山小屋。
特別養護老人ホーム清楽園(昭和59年完成)国内唯一の純洋式木造ホテルとして国の重文である軽井沢の旧三笠ホテル。
埴生保育所(昭和56年3月完成)建物本体は外壁や中央ドームに特徴を持つ明治神宮外苑の聖徳記念絵画館、塔屋は東京銀座の服部時計店。
埴生公民館
(昭和62年完成)は加賀藩の旧前田邸(現在は京都近代文学博物館)。
荒川公民館
(昭和60年完成)の本体はバッキンガム宮殿、塔屋はノートルダム寺院、窓は赤坂プリンスホテル。
荒川保育所
(昭和55年完成)は明治時代の洋風レンガ造り建物の原型、重文である国立近代美術館工芸館。2020年3月閉所
旧薮波保育所(昭和51年3月完成)おとぎの国「メルヘン」をテーマにしているメルヘン建築の1作目。2020年3月閉所
津沢こども園(旧
津沢保育所)(昭和58年完成)本体は東京赤坂にあった旧霊南坂教会、正面の入口は迎賓館。

写真説明文中(西暦)は竣工年

石動中学校(1984) 稲葉山牧野看視舎(1980)

小矢部市ゆるキャラのメルギューくんとメルモモちゃん  稲葉山

稲葉山 ふれあい動物広場

稲葉山からアウトレットパーク

高さ65mの風車(風力発電)が3台

稲葉山・メルヘン牛放牧

遊具広場

ふれあい動物広場

ふれあい動物広場の山羊

ふれあい動物広場

遊具広場

リニュアールされた埴生保育所(1981)   2010/05/01

知的障害者更正施設渓明園(1985)

小矢部市埴生公民館(1987)

小矢部市立東蟹谷公民館  旧東蟹谷保育所(1986)

武道館(1981)

小矢部市立北蟹谷公民館(1984)

小矢部市教育センター  旧岩尾滝小学校(1986)

津沢小学校(1981)

津沢こども園  旧津沢保育所(1983)

荒川公民館(1985)

旧薮波保育所(1976)

旧石動幼稚園(1977)2018年解体

老人ホーム清楽園(1984)

旧岩尾滝保育所(1978)

北蟹谷公民館(1982)

旧荒川保育所(1980)

トライ工房(1978)

農林漁業体験実習館(1980)

正得駐在所(1992)

小矢部消防団薮波分団(1984)

林間休養施設(1981)

小矢部市役所(メルヘン建築外)

小矢部市には、ユニークな公共建物が35施設あります。次に13施設と道の駅「メルヘンおやべ」を紹介します。
大谷中学校(昭和59年3月完成)は本体の塔屋は東大安田講堂、正門は東大教養学部、高さ47mの塔の先はオックスフオード大学の学生寮クライストチャート寮。体育館(昭和59年11月)大阪中之島の中央公会堂、内部は国立劇場。南正門(天啓門)はベルサイユ宮殿の門、東門は瑞鳳門、西門は清峰門、北門(北辰門)はパリの凱旋門。野外音楽堂は日比谷野外音楽堂。教育記念塔はイギリスのアルバート記念塔。クラブハウスのドームはフィレンツェの大聖堂。北陸自動車道の小矢部インター近く、富山方面からは左側、金沢方面からは右に時計台のある校舎が見えてきます。
蟹谷小学校
(昭和54年7月完成)は校舎と時計台は東大教養学部、入り口のポーチは東大図書館、正門は学習院女子短大の門。体育館(昭和54年10月完成)一橋大学の兼松講堂をモデル、三四郎池もあります。
東蟹谷公民館(旧東蟹谷保育所)(昭和61年完成)は本体は金沢旧制第四高等学校、玄関、塔屋は東大安田講堂、中央上部は西ドイツのハイデルベルグの古城の塔がモデルとなっている。
サイクリングターミナル
(昭和57年)は赤レンガ、ルネッサンス様式の東京駅を(実物の5分の1)。
蟹谷中学校平成元年3月完成)は中央の突塔はオックスフオード大学(42メートル)、校舎中央はベルサイユ宮殿、校舎両サイドは迎賓館。
水島公民館(昭和58年2月完成)は本体が奈良の国立博物館、塔屋は旧大阪市庁舎、チヤペル風の窓・内装は三菱銀行本の店のモデル。
松沢公民館
(昭和59年3月完成)本体がボストン公会堂、塔屋はロンドンのセントポール寺院。
薮波公民館(昭和56年完成)中世西洋建築の代表作ゴシック建築様式を再現、正面はローマの洞門、左右の塔はウエストミンスター寺院、中央部はイギリスのシークスピア記念館。
水島保育所(昭和57年完成)は東京紀尾井町赤坂プリンスホテル旧館。
旧松沢保育所
(昭和52年3月完成)は中央に小さな三角屋根を形取り、淡いベージュ色を基調として正面には丸味のあるデザインを施工。
蟹谷配水池
(昭和58年完成)バロック風洋式の東京多摩川の取水塔、手前は小矢部陸上競技場がある。
城山配水池(昭和54年完成)東京都水道局村山貯水池水塔。手前の城山公園(富山県の選定さくら名所50選)は四千本のソメイヨシノが覆い尽くす市民の憩いの場。
埴生高区配水池(昭和59年)バロック風建築様式がモデルとなっています。


大谷中学校(1984)

クロスランドタワー展望フロアからメルヘン建築  大谷中学校(1984)

蟹谷中学校(1989)

小矢部市立薮波公民館(1981)

小矢部市立水島公民館(1983)

埴生高区配水池(1984)

蟹谷小学校正面(1979)

小蟹谷小学校・東側から望む(1979)

蟹谷中学校(左は体育館・1989)

水島保育所(1982)

松沢公民館(1984)

旧松沢保育所(1977)

城山配水池(1979)

蟹谷配水池(1983)

サイクリングターミナル(1982)

サイクリングターミナル(1982)

水島保育所改修工事(2014/10)

「道の駅メルヘンおやべ」、小矢部市桜町1535番地1に2009年10月24日オープン

道の駅メルヘンおやべ

道の駅メルヘンおやべ入口

お土産品の販売コーナー

お米の販売コーナー

味処「メルヘン田舎」

観光案内所

イメージキャラクター「メルギューくん」

道の駅メルヘンおやべ外観

足湯(無料)

フードコート(メルヘン田舎)

地域農産物売場

展示コーナー(桜町遺跡縄文展開催)

総合遊具施設・ドックラン

桜町遺跡紹介コーナー

地域農産物売場

「メルヘンの街・小矢部市」
 小矢部市は石川県境にある富山県の西端の主要都市。面積134.09キロ平方メートル、2009年2月末の人口は32,892人だったが、202
0年11月末の人口は29,488人で約10年間で3,404人減少している。メルヘン建築物に多くの保育所があったが少子化と民間へ委託化で現在
埴生と水島の2保育所となっている。津沢の建屋は民間委託の津沢こども園として活用されているが他は未定となっている。
 市域は北西から南西にかけては山間地。標高346メートルの稲葉山などなだらかな丘陵が連なる。南東部は砺波平野の一画をなす。平地をおおむね南北に一級河川の小矢部川が貫流しており、一帯は水稲単作の穀倉地帯。中部に石動、南東部に津沢と二つの市街地をもつ。JR北陸本線・国道8号線に加えて北陸自動車道が東西に走り、小矢部インター、同自動車道と昨年開通した東海北陸自動車と連結する小矢部砺波ジャンクション、能登半島に伸びる能越自動車道も通る。
 下後亟と西中にまたがる場所には、小矢部東インターもあり、交通の北陸の十字路といわれる。この地の利を生かした地域間交流のクロスランドおやべがある。今回紹介した公共の施設の建物に有名建築のデザインを取り入れた35のメルヘン建築物が各地に点在。又、史跡としても源平倶利伽羅古戦場、縄文時代の桜町遺跡の街としても有名。

「小矢部市の公共施設の建築構想理念」
 小矢部市における公共の建築物は、 公共の福祉に直結し、公共の活動に資し、加えて社会の生活向上と発展に貢献するものであるとの基本理念に立脚して、昭和51年から計画的に建築。建築の実践に際しては、全体的視点から効用を把握し、個々に合理性、効率性、計画性を第一義として恒久性、耐久性に富み、通風、採光、美的感覚をも大切と考えます。
 更には維持、管理の経費節減をこころとし、市民の財政的負担にならないように配慮することが肝要であると考えます。市域に建築される公共施設そのものに文化的価値をもたせ、他域の人々に親しまれ愛され、地域のシンボル、誇りとなるよう周囲の自然環境に整合した施設を作り、それを通じて文化的な地域づくりや市民文化の意識高揚に着目わしている。
 そこにはロマンとメルヘンの世界が展開されています。これらの公共建築物は、今東西を問ず建築分野において最高水準を誇り、万民からも貴重とされている建築構造的長所を導入し、かつ、その地域の特性を生かして、風光、地形、排水、地盤などに特に配慮されております。

                                                                                        

参考資料
小矢部商工観光課・小矢部市観光協会パンフレット、小矢部市HP等。
富山大百科事典    1994年(平成6年)初版発行 発行所 北日本新聞社