射水市本江道番の諏訪社前から富山市に入り神通川の荻浦橋を渡り岩瀬から岩瀬諏訪神社前を通り岩瀬運河の岩瀬橋を渡り旧浜街道を通って常願寺
川の今川橋手前までを辿る。

 江戸初期から日本海を行き来する北前航路が生まれ、江戸期から明治期にかけて日本海沿岸地域には回船問屋が多く営まれていた。岩瀬では、江戸
前期の寛文年間(約320年前)に港町としての形ができあがった。岩瀬は加賀藩の領地で御蔵があり北前船で米や木材などを大阪や江戸などに運ん
でいた。

 明治6年に大火があり、約千戸あった家屋の内、650戸が焼失したが、当時回船問屋業が全盛を迎えていて、回船問屋を始めとした財力によって、
岩瀬独自の家屋様式「東岩瀬回船問屋型」などの家屋として再建された。

 回船問屋の家屋の多くは岩瀬大町・新川町通りを構えにし川岸を背に建てられた。現在の岩瀬の町並みは、明治期に建てられた家屋が多く残ってい
る回船問屋群のある街並みであり、多くの先人の努力による貴重な遺産といえる。回船問屋は、岩瀬地区に独自の文化を育んだ。

 岩瀬の町並に入る道に二筋あり、一つは千原崎村を経て南から町並みに至る道。もう一筋は、壱番丁の神通川縁即ち西側から町並に入る道である。
当時(寛文二年以降)東岩瀬村は町建ての許された宿駅である。駅馬が一八匹(伝馬銀五十五匁)配備され御蔵を中心に維持された。

 東岩瀬村は前田候参勤のための御旅屋が、江戸時代全期を通じて置かれていた。東岩瀬村は宿駅であり商業都市であるとともに加賀藩における枢要
な港で、北前船による北海道交易の拠点でもあり、豪商が軒を連ねていた。明治21年の市制、町村制の施行で、東岩瀬村は東岩瀬町・西宮村が合併
して東岩瀬町となったが旧街道筋、殊に大町は未だに明治当初の、格子窓、ウダツをあげた等の家構えを残した家があり多く残っている。

 養願寺前に忠霊塔がある。前の街道を直進し右折で大町・新川町通りに。忠霊塔の横に岩瀬中央公園があり、御蔵跡がある。北前船回船問屋森家は、
国指定重要文化財(平成6年12月27日)になっている。岩瀬大町・新川町は往還道筋であり、北前航路が最盛期の明治初期に建てられた回船問屋が
建ち並ぶ歴史的な町並で、「岩瀬まち歩きまっぷ」によると森家は一般に公開されており、お願いすれば岩瀬の歴史がよくわかる丁寧でおもしろい解
説が聞ける。

 森家は典型的な東岩瀬回船問屋型の家屋で、公開は9時30分〜16時30分。休館は12月28日〜1月14日。森家の手前には北陸銀行の店舗
があり、町並みに合わせた店舗になっている。
 町並みを過ぎて右手に折れると道沿い左側に諏訪神社・恵比須社があり、境内には昭和7年の銘献燈二基、頌徳碑(昭和12年)がある。往還道の
神通川渡舟場(現在は無いが前の貨物引込線富山港駅の場所に当たり)当時街道の道筋にあった金刀羅宮は、現在の場所に移転(荒木町公民館近く)
した。

 金刀羅宮の境内には、元治2年の銘のある北前船などの航海安全を祈った、約六メートルの常夜燈、昭和11年建立の築港記念碑があります。富山
港側にある富山港の展望台は金刀羅宮の境内の元治2年の銘のある北前船などの航海安全を祈った常夜燈をモデルにしたもので昭和60年11月完成
した。高さ24.85mで展望台の高さは20m。市街地は岩瀬まち歩き散策路を参照。

 岩瀬諏訪神社の角を右手に折れると松並木のある浜街道へと出る。この諏訪神社に伝わる祭礼で有名な岩瀬曵山車祭り(けんかの曵山)は5月17日
〜18日両日、岩瀬の町を曳き廻される。17日は神輿の渡御があり、夕方の本宮への還御の際は各町内から高張提灯をもって大勢の人が迎えにくる。

 長い提灯の行列は夜空に映え、雅楽に続いて13基のたてもん(曵山)が町内の青年・子供に引かれる。木遣りと囃子に合わせて曵山が町内を回るに
は一定の順路がある。狭い町の道路で上り下りの山車がすれ違うときや追い越しの際、曵山と曵山が接触したことがきっかけでけんかとなる。

 両方の曵山の前部のひき綱を交差させて押し合い、力のある方が相手を後退させる。綱引きでその年の豊漁不漁を占うことは広く見られる風習だが、これもその一つであろう。

浜街道(県道1号線)
 
下村、草島を経た旧北陸道は、神通川を渡って千原崎村地内を経て東岩瀬町に至る。江戸時代、この道を「富山廻道」と称した。また、東岩瀬から
水橋に至る旧北陸道を「浜街道」と称した。「富山廻道」、「浜街道」は加賀藩主前田候の参勤交代の街道であり、重要な往還道であった。

富山市八幡の旧北陸道から護国八幡神社

千原崎の渡付近に架かる県道1号線荻浦橋

布目−千原崎間の加賀往還道

金刀比羅社

金刀比羅社の常夜燈(高さ約6mの古い高灯籠)

富山港展望台(金刀比羅社の常夜燈をモデルにした展望台)

富山港展望台から岩瀬の街並み

金刀比羅社と常夜燈説明板

御蔵跡説明表示板

岩瀬大町公園に展示されている北前船

岩瀬独自の家屋様式・東岩瀬回船問屋型

県道1号線荻浦橋

旧東岩瀬駅

加賀藩御蔵跡

岩瀬小学校

国指定重要文化財北前回船問屋森家

北前回船問屋森説明板

北前回船問屋森説明板

回船問屋馬場家

国大町新川町通り(旧北陸道)

回船問屋の様式を残している馬場家

岩瀬市街地

酒店・陶芸工房等店舗(森家土蔵

諏訪神社・恵比須社

諏訪神社・恵比須社

訪神社・恵比須社説明板

西宮神社

岩瀬諏訪神社鳥居

岩瀬諏訪神社拝殿

岩瀬諏訪神社境内の御神木「天狗の木」

岩瀬諏訪神社祭礼の曵山車 カナル会館前

岩瀬諏訪神社

境内の岩瀬諏訪神社説明板

岩瀬運河に架かる歩道橋の大漁橋

富山港のRORO船

立山連峰と富山地方鉄道富山港線

岩瀬岩瀬カナル会館

東岩瀬駅

東岩瀬駅前

駅前から岩瀬の町方向

東岩瀬駅側から旧北陸道

駅近くの浄土真宗(東)養願寺

浄土真宗(西)盛立寺

養願寺隣の岩瀬小学校庭園

松の大木がある正源寺

桝田酒造店

桝田酒造醸造所

町並みに合わせた店舗の北陸銀行

町並みに合わせた富山信用金庫

料理旅館「松月

岩瀬浜側から旧北陸道岩瀬の街並

富岩水上ラインと岩瀬橋

岩瀬運河に架かる岩瀬橋

次ページの旧北陸道は松並木のある浜街道を進み常願寺川の今川橋の手前までを辿ります。

                                                                                    
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資料
富山県歴史の道調査報告書(北陸街道)発行昭和55年(1980)12月10日 富山県教育委員会・富山県郷土史会
地元発行の観光パンフレット、岩瀬まち歩きまっぷ、施設の説明表示板、HP等。
富山大百科事典  平成6年(1994)初版発行 発行所 北日本新聞社