2020/01
/26 更新

  浅野川線は金沢市の北鉄金沢と内灘町内灘を結ぶ6.8kmで内灘町周辺は金沢市のベッドタウンとして振興住宅団地が増え続けているが、
金沢市の道路事情は富山市に比べても非常に悪く、特に内灘方面からは国道8号線を横断しなければならなく大変であり、電車通勤をする人も
多い。現在元京王電鉄の井の頭線を走っていたステンレス製の冷房車8000系8900形、8800形で運行されており、冷房化率100%
である。コンクリート枕木、50kgレールで路盤は整備されているが急カ−ブが多く、いたるところに35km制限があり、スピードは出せ
ない。車両基地は内灘にある。かっては内灘の先粟ヶ崎海岸まで路線があったが廃線跡は住宅が建っている。 6.8kmの間に10駅あり、駅
間距離平均は618mで路面電車並である。
 浅野川線の8000系は東京メトロのアルミ車体の03系に置き換えられることになっている。

北鉄金沢−七ツ屋−上諸江−磯部−割出−三口−三ツ屋−大河端−北間−蚊瓜−粟ヶ崎−内灘    緑字=金沢市  青字=内灘町
 


粟ケ崎−蚊爪間の大野川鉄橋を渡る8900系モハ8902+モハ8912内灘行き

 浅野川線は「北陸の材木王」といわれた金沢の平沢嘉太郎が免許を取得した浅野川電鉄が1925(大正14)年5月10日に七ツ屋−新須崎
間が開通した。北陸線との立体交差があるため遅れていた金沢駅前−七ツ屋間は翌年の5月18日に開通した。沿線人口が稀薄で利用が伸び悩
んだため終点に娯楽施設を建設し利用客を増やすことにした。
 平沢嘉太郎の個人事業として開設された粟ヶ崎遊園は「北陸の宝塚」とうたわれた大遊園地で、1925年(大正14年)、内灘町と金沢市に
またがる砂丘地に兼六園の2倍近い198,000uの敷地に1000人収容の大劇場をはじめ 100畳敷の大広間や大浴場、料亭、洋食堂、
遊技場、動物園、野球場などが当時35万円を投じて建設された。宝塚同様、少女歌劇団による、レビューが人気を博し、粟ヶ崎遊園の最大の
呼び物となった。砂丘に広がる「コドモノクニ」には全国屈指の長さを誇る全長72mの大山スベリ台があり、動物園や遊戯場とともに子供た
ちの人気を集めが、1941(昭和16)年、第2次大対戦で軍の施設徴用により惜しくも閉鎖された。
 粟ヶ崎遊園までは徒歩またはバスで連絡していたが1929(昭和4)年7月14日に新須崎−粟ケ崎海岸まで全線が開通した。実際は粟崎遊
園(現内灘)が終点で粟崎海岸まで7,8月の海水浴シーズンのみの運行だった。
 戦時下の私鉄統合によって北陸鉄道が設立された。統合の際
条件を不服として加わらなかった浅野川電鉄も1945(昭和20)年10月1日
付で合併された。戦後、内灘海岸はアメリカ占領軍の演習場となり、浅野川線にも進駐軍専用線が設けられた。占領軍が撤退した後昭和35年
に進駐軍専用線を使い粟ケ崎遊園前駅を100m海岸側へ移転して現在の内灘駅が作られた。
 内灘−粟ケ崎海岸は海水浴場の閉鎖により1974(昭和49)年6月29日に廃止された。浅野川線は小型の旧型電車が走っていたが、19
96年の1500V昇圧時に京王電鉄井の頭線の3000系に全て置換られた
北陸鉄道では8000系8800形8900形となっている。
この時、沿線各駅のホームが嵩上げされ、待合室や上屋が新設されている。2001年3月28日に北鉄金沢−七ツ屋間が新線に切り替えられ
北鉄金沢駅は北陸初の地下駅となった。線名の通り七ツ屋駅から蚊爪駅まで浅野川に沿って走る。
 


北鉄金沢駅に停車中の8900系モハ8903+モハ8913内灘行き

上諸江駅を発車した8900系モハ8901+モハ8911内灘行き

途中唯一の行き違いできる三ツ屋駅

粟ヶ崎駅を発車したモハ8902+モハ8912北鉄金沢行き

 浅野川線の車両はモハ8901+モハ8911モハ8902+モハ8912モハ8903+モハ8913モハ8801+モハ8811、
モハ8802+モハ8812の5編成で8800系も元京王電鉄井の頭線の電車であるが、8900系との違いはドアが片開きなのと車体の幅
が狭く、裾にRが無い。

 内灘に運転免許センターがあり、バスの乗車券とセットになった往復乗車券が発売されている。駅間距離が短いためスピードは遅い。
 休日の電車でもほとんどが北鉄金沢―内灘間の乗客で途中駅の乗降は上諸江、割出以外は少ない。唯一の行き違い駅の
三ツ屋駅で列車の行き
違いが行われる。内灘は完全に金沢のベッドタウン化されており、宅地造成は海岸線にまで迫っている。海岸付近では「海付きの1戸建て」の
キャッチコピーが目に入った。粟ヶ崎の手前に大野川の鉄橋があり、鉄道雑誌などに載る浅野川線の紹介写真はほとんどこの鉄橋を渡る電車で
ある。
 内灘駅からの医科大病院線は内灘大橋を渡った先の宮坂地区に石川県住宅供給公社により、白帆台ニュータウンが建設されバス路線も一部延
長され、写真のバスは「金沢医科大学・白帆台ニュータウン」となっている。内灘駅で降りた乗客の大部分が乗り込むため、日中も写真のよう
な大型バスで運行されている。途中の新興住宅の人も多く利用するので終電ひとつ前の22時32分着も22時34分発の医大病院行きに接続
している。2016年8月時点で白帆台ニュータウン行きは朝晩4本のみとなっている。23時17分着の終電はバスに連絡しない。
 


上諸江駅を発車した8800系モハ8801+モハ8811内灘行き

三口駅に到着する8800系モハ8802+モハ8812北鉄金沢行き

内灘駅は片面ホーム

三口駅付近の浅野川  浅野川に沿って左岸を走る浅野川線

医科大病院経由白帆台ニュータウン行き北鉄金沢中央バス
 

機具橋から金沢医科大学と付属病院
 
浅野川線の駅にリンクして表示します
北鉄金沢駅磯部駅三ツ屋駅蚊爪駅
七ツ屋駅割出駅大河端駅粟ケ崎駅
上諸江駅三口駅北間駅内灘駅