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太い赤線事故減に効果 万葉線  交差点5カ所に施工 右折車に注意促す
 目立つ太い「赤線」が、事故防止に効果を上げている。万葉線が通る主要な交差点の路面に、車を軌道敷内に乗り入れないよう注意を促す赤線が引
かれた。運行会社によると、施工後は電車と車の接触事故が減少。同社は安全で円滑な運行のため、さらに普及させたい考えだ。
 赤線は、国や県といった道路管理者が、万葉線、警察と協議して施工しており、2021年秋から2022年12月にかけ、高岡市の広小路や向野
北電前など5カ所の交差点に引いた。
 線の引き方は交差点ごとに異なるが、道路中央にある軌道敷に最も近い右折車線を囲むように引かれる場合が多い。線の幅は約30cmで、一般的
なセンターラインの2倍あるという。
 道路交通法は、車は右折や横断などの例外を除き、原則として軌道敷内を通行してはならず、路面電車の通行を妨げてはならないと定めている。
 だが、右折車線の車が軌道敷にはみ出して止まったり、電車の接近に気付かず曲がろうとするケースが後を絶たず、万葉線では右折車と電車の接触
事故が、赤線施工前は年間6件前後起きていが、施工が始まった2021年度は2件にとどまり、2022年度もこれまでに2件しか起きていない。
ドライバーが赤線を認識し、右折時に注意して進んでいるためとみられる。万葉線の萩原惇平運転士は「赤線のある交差点では、ブレーキをかけたり
警笛を鳴らす回数が明らかに減った」と効果を実感する。
 万葉線の茶山英義軌道課長は「事故が減るだけでなく、ドライバーが警笛を鳴らされて不快な思いをすることも減る」と利点を強調。「引き続き関
係機関と連携し、施工箇所を増やしていきたい」としている。  
北日本新聞から

広小路交差点に施工された赤線。右折車線を囲むように引かれている     向野北電前交差点 北陸電力高岡支社、北日本新聞高岡支社がある
掲載日:2023/01/15
 
開業20周年記念「万葉線・電車まつり」開催
 万葉線株式会社の開業20周年を記念した「万葉線・電車まつり」が10月15日、高岡市荻布の本社周辺で開かれ、来場した家族連れが多彩な催
しを楽しんだ。
 電車まつりは新型コロナウイルスや台風の影響で中止が続き、4年ぶりに開催。10月14日の「鉄道の日」に合わせて実施した。楕円のコースが
設けられた「ミニドラえもんトラム」には親子連れが列をつくって乗車し、子どもたちは手を振りながら楽しんでいた。子ども用の制服や制帽を貸し
出して車両内外で写真撮影できるコーナーや、運転体験シミュレーター、縁日コーナーなどもあった。

展示車両は開業20周年記念アイトラム1004とコカ・コーラ電車7075       乗車定員が少ないミニドラえもんトラム
掲載日:2022/11/10
 
高岡活性化 伝統産業×万葉線×食文化
 富山大都市デザイン学部の学生が、高岡の伝統産業と万葉線、食文化を切り口に地域課題解決に向けたプランを探る取り組みをスタートさせた。授
業の一環として2カ月にわたって現地実習などを行い、高岡青年会議所が協力する。初回のグループワークが10月3日、富山大学五福キャンパスで
行われた。
 若い視点で高岡市の魅力向上を考えてもらおうと、高岡青年会議所まちづくり委員会が、高岡市出身・在住で都市デザイン学部の堀田裕弘副学部長
に相談して実現した。地域課題解決を考える同学部の必修授業「地域デザインPBL」の題材として3年生14人が取り組む。
 テーマは「『伝統産業×万葉線×食文化』から考える高岡の魅力発信」。フィールドワークやグループワークを通して地域の魅力や課題を洗い出し、
活性化に向けプランをまとめる。11月に中間発表会、12月に成果発表会を富山大学で行う。
 3日は高岡青年会議所の6人が富山大学を訪れて名所や食文化を紹介したほか、「観光スポットが点在していて周遊しづらい」など課題を説明した。
 都市・交通デザイン学科の石川礼恩さんは「鋳物などの伝統産業と万葉線の低床車両といった最新が融合した町という印象がある。他の学科の仲間
と知恵を出し合い、良いアイデアを提案したい」と話した。
掲載日:2022/11/10
 
高岡市能町児童クラブ 校区の名所を万葉線で旅
 高岡市の能町校下児童クラブは10月2日、校区内を通る万葉線に乗って沿線各所を巡るミニ修学旅行を行い、親子連れら35人がさまざまな場所
で見学や体験を楽しんだ。
 同市吉久の新吉久電停近くにある公園「TEKリトルパーク」では、展示してある電車「デ5022号」を見学。富山地方鉄道、加越能鉄道、万葉
線などで約60年間活躍した旧型車両で、子どもたちは興味深そうに眺め、写真に収めた。ヤルプタ美織さん9才は「古い電車のつり革や装置に触れ
ることができて楽しい」と笑顔を見せた。
 越ノ潟電停で降り、新湊大橋の遊歩道「あいの風プロムナード」の散策や県営渡船に乗船したほか、末広町電停から御旅屋セリオ2階にある、高岡
地域地場産業センターに移動してスゲのコースター作りなども体験した。

TEKリトルパークで「デ5022号」を見学する参加者(北日本新聞)    TEKリトルパークで保存展示の元富山地方鉄道デ5022

新湊大橋の遊歩道「あいの風プロムナード」               射水市堀岡新明神西浜と射水市堀岡を結ぶ県営渡船「こしのかた」
掲載日:2022/10/03
 
ドラえもんトラム10周年 記念切符販売
 万葉線のラッピング車両「ドラえもんトラム」が今月で運行開始から10周年を迎えるのに合わせ、関係機関は記念切符の販売など記念事業を展開
する。
 ドラえもんトラムは、高岡市出身の漫画家、故藤子・F・不二雄さんの代表作「ドラえもん」のキャラクターがデザインされた車両。市と高岡商工
会議所、万葉線株式会社でつくる「ドラえもんラッピング電車事業実行委員会」(委員長・角田悠紀市長)が2012年9月に運行を始めた。
 1日から来年8月31日まで、記念ステッカーで飾った車両が走る。高岡駅の待合室にはドラえもんなどが描かれたフォトパネル(縦1.6m、横
3.4m)、万葉線高岡駅停留場には藤子・F・不二雄さんゆかりの地を紹介するパネルが設けられる。設置期間は両パネルとも9月3日から来年8月
31日まで。
 万葉線株式会社は、記念切符とペーパークラフトを販売する。限定各1000枚で、同市荻布の本社や万葉線のオンラインショップで9月3日から
取り扱う。3日の高岡駅11時15分発と13時発の乗客には自由帳をプレゼントする。先着各50人。

ペーパークラフトは330円でクルン高岡2F富岡屋、ニューオータニ高岡、高岡市大野の柿の匠でも販売する
掲載日:2022/09/01
 
射水市でイルミネーション ベイエリアに「光の道」
 万葉線株式会社開業20周年と海王丸パーク開園30周年を記念したイルミネーション「万葉線『光の道』プロジェクト 幾万の光」が8月5日、
富山県射水市海王町の海王丸パークをメイン会場に始まった。約30万球の発光ダイオード(LED)が射水ベイエリアを華やかに彩り、節目を盛り上
げている。8月21日まで開催された。
 万葉線の利用促進や地域のにぎわい創出につなげようと、地域おこし協力隊の坪井彰さんが企画。海王丸パークでは全長約70mのイルミネーショ
ンゲートや、光で帆船海王丸や新湊大橋などの形を描いたパネルを設け、色とりどりの電球が辺りを染めた。
 万葉線中新湊−東新湊駅間では沿線の建物を装飾し車窓から光の演出を楽しむことができる。点灯時間は19時30分〜21時45分。海王丸パー
ク内の会場は入場料が必要で、大人1000円、中高生500円。

東新湊駅−中新湊駅間を走るドラえもんトラム       画像:北日本新聞から    海王丸パークの全長約70mのイルミネーションゲート 
掲載日:2022/08/29
 
万葉線会社で 園児が七夕飾り付け
 高岡市野村の、ひかり幼稚園の園児たちは7月26日、高岡市荻布の万葉線株式会社で、願い事を書いた短冊を竹に結び付け、高さ8mの七夕飾り
を作った。七夕飾りは8月7日まで会社の玄関先に展示された。
 8月1〜7日に高岡市中心部で開かれる高岡七夕まつりに合わせ、高岡と射水の両市や万葉線株式会社などでつくる万葉線対策協議会が園児を招待
した。
 万葉線株式会社の楠達男専務があいさつ。園児28人は「はやくはしれるようになりたい」「うんてんしゅになりたい」などと書いた短冊を地面に
置かれた竹に飾り付けた。園児や関係者がひもで引っ張って竹を起こした。
 子どもたちは合唱したり、打ち水を楽しんだりした。職員からプレゼントをもらうと、代表4人が「参加できてうれしかったです。みんなの願いが
かなうといいな」とお礼の言葉を述べた。7月29日〜8月5日には、園児の短冊を飾る車両が運行された。     掲載日:2022/08/29

3年ぶりに運行された納涼ビール電車  画像:永原健吾さん                   短冊を付ける園児たち  画像:北日本新聞
 
納涼ビール電車出発 万葉線3年ぶり運行
 万葉線の「納涼ビール電車」の運行が7月2日、2019年以来3年ぶりに始まり、乗客は厳しい暑さをひととき忘れ、生ビールを味わった。
 登場から55周年となるレトロな7070形7071号を使い、飛沫防止シートや抗ウイルス加工など車内の感染対策を施した。
 初日は沿線の住民有志ら17人が利用した。富山レールクラブ・RACDA高岡の会員も参加した。永原会員は「楽しみにしていた。暑い日が続き、
ビールが最高においしい」と話した。
 高岡駅発着18時40分発と中新湊発着18時30分半発の2コースがあり、所要時間は約1時間40分。お盆の8月12〜15日を除き、9月2
日までの月〜土曜日(水曜日は運休)に運行する。定員20人の貸し切り運行で、料金は55,000円。
掲載日:2022/08/29
 
射水ベイエリア 光の道プロジェクト
 万葉線の「海王丸駅」から5分ほど北に歩くと、海王丸パーク西側のラジコン広場近くに長さ50mあるイルミネーションゲートが設営され、看板
には「IMIZU光の道」とある。8月5日〜21日の夜間にイルミネーションが点灯される。
 海王丸パーク開園30周年と万葉線株式会社20周年を機に企画され、京都府城陽市から多大な協力を受けた。城陽市は2002年、光のページェ
ント「TWINKLE JOYO」を始め冬の風物詩として定着したという。回を重ねるごとに商店街などに装飾が広がり、今ではLED電球約60
万個が彩る国内有数の規模になった。
 射水市で企画したのは、京都府出身の地域おこし協力隊、坪井彰さん。「夏の夜空を彩る 光の道プロジェクト」と銘打った。海王丸パークや万葉
線沿線に約20万個の電球を飾る。電気三輪自動車「べいぐるん」は「よるぐるん」として夜間運行させる。
 クラウドファンディング「CFとやま」で資金を募り、目標の150万円を突破。多くの県民らの期待を背負い、5日19時ごろに点灯式を行う。
 坪井さんは「1カ月半かけて急ピッチで設営した。多くの人に助けられた」と、協力者に感謝する。
 プロジェクトには、地域課題解決のために行動する県立大学の学生団体「COCOS(ココス)」のメンバーも加わった。海王丸パークでは、射水市
のキャラクター「ムズムズくん」の電飾を準備した。
 海王丸駅での花火をモチーフにした電飾の設営に数回出向いた工学部1年、石田凌一さんは「少しでも明るいイメージになるよう願って作業した」
と振り返る。コロナや戦争など暗い出来事を、ひととき忘れさせてほしいと、多くの協力を得て開催される。

万葉線イルミネーション事業のイメージ                      城陽市 光のページェント TWINKLE JOYO 2021
掲載日:2022/08/29
 
万葉線利用へ補助 万葉線対策協議会
 万葉線対策協議会(会長・角田高岡市長)は6月28日、高岡商工ビルで総会を開き、万葉線の利用促進に向けた本年度の事業計画を承認した。
 8月に行う中新湊駅〜東新湊駅間の沿線などを彩るイルミネーション事業と万葉線と氷見線を乗り継ぐイベントの活動経費を補助する。イルミネー
ション事業のクラウドファンディングの返礼品として、万葉線の1日フリー乗車券なども贈る。
 7070形車両の貸し切り料金の補助も行い、鉄道ファンのさらなる利用を促す。
 任期満了に伴う役員改選で会長に角田市長、副会長に夏野元志射水市長を再任。監事に高岡宏和高岡市議会総務文教委員長、中村文隆射水市議会民
生病院委員長を委嘱した。
掲載日:2022/07/14
 
コカ・コーララッピング電車を新デザインで運行
 万葉線は6月5日13時から、新しいデザインの「コカ・コーララッピング電車」のお披露目式を万葉線高岡駅停留場1番ホームで開催した。
 北陸コカ・コーラボトリングと万葉線は2002年から、1967年製造の7075号にコカ・コーラの商品やロゴなどを描いた電車を運行してい
る。北陸コカ・コーラボトリングが5日で創業60周年を迎えたのを機に新デザインに切り替えられた。
 コカ・コーララッピング電車は加越能鉄道で1994年から1965年製造の7061号で運行され、万葉線開業時に7075号に代わった。
 新しいデザインは高岡市在住のデザイナーami yamazakiさんがデザインを担当した。車体の左右と前後をそれぞれ赤と黒にし、方向に
よって赤や黒の単色に見えたり、二色に見えたりする。赤は射水市を黒は高岡市の夜をイメージしている。コカコーラのロゴはアルファベットから片
仮名に変わった。側面には女性の顔、花、漁師が、赤い側面は犬、黒い側面は猫が描かれている。
 お披露目式来場者には、万葉線高岡駅停留場ホームに設置の自動販売機などで利用できるCoke ONドリンクチケットが配布された。運用に入る日は
高岡駅−越ノ潟間を1日7往復する。

庄川橋梁の上流側から7075高岡駅行き                    庄川橋梁の下流側から7075越ノ潟行き

初代コカコーラ電車 高岡駅前 デ7061                   ザイン変更前のコカコーラ電車 江尻駅 デ7075 
掲載日:2022/07/14
 
ミニドラえもんトラム楽しむ 高岡で出張電車まつり
 万葉線株式会社の開業20周年とクルン高岡の開業8周年を記念した「出張電車まつり」が5月3日、高岡市の同施設で開かれた。「ミニドラえも
んトラム」の運行や記念グッズの販売があり、にぎわった。
 高岡、射水両市や万葉線株式会社などでつくる万葉線対策協議会と、クルン高岡を運営する高岡ステーションビルが主催。親子連れらがミニトラム
に乗って楽しんだほか、20周年記念のハンカチやキーホルダーなどが販売された。
 高岡市地域おこし協力隊(地域交通ナビゲーター)の尹俊赫(ユンジュンヒョク)さんは「ミニ鉄道ミュージアム」を開設。万葉線の写真や鉄道に
関する映像を上映した。

ミニ鉄道ミュージアム                 記事・画像:北日本新聞から 万葉線株式会社開業20周年を記念したグッズなどの販売
掲載日:2022/07/14
 
デ7070形の7074号冷房化
 報道などでは旧型車両と呼ばれる、デ7070形の7074号冷房化された。これで7070形は5両中、4両が冷房化され、非冷房車は7076
号のみとなった。 導入時に脱線事故を度々起こしたアイトラム1002号が故障で運用を離脱しているが、冷房車両9両で今年の猛暑は乗り切れそ
うだ。万葉線は1日7両の運用となっている。
 今年は4月上旬から気温が高く、早速活躍している。非冷房車の7076号も前面広告車両で運行しなければならないため4月上旬から6月中旬ま
では、午前中、米島口で7076号から冷房車への車両交換が見られた。
 冷房化されたのを初めて見たのは4月9日で、最高気温は高岡市伏木で25.5℃を記録した、今年初の夏日となった日、車の温度計で26℃もある
のに7074号が窓を閉め切って走っていた。屋根の上を見ると冷房化されていた。いつも乗降客がない荻布で珍しく停車し、車も信号待ちになった
のでミラーに映ったのを急いで撮った。営業運転に入ったのは3月か4月と思われるが不明。

庄川橋梁を渡る7074越ノ潟行き                       高岡駅に停車中の7074越ノ潟行き
掲載日:2022/07/14
 
路面電車に注意し車の安全運転を 万葉線運転士らPR
 万葉線の運転士他が7月12日、高岡市江尻の道路でドライバーにチラシを配り、電車との事故防止などを呼びかけた。7月1日〜20日の夏の
交通安全県民運動に合わせ万葉線株式会社と高岡警察署、高岡市などが合同で実施した。
 道路交通法は路面電車の通行を妨げてはならないと定めているが、後方から電車が近づいていることに気付かぬまま右折するなど、危険なケースが
あるという。
 この日は同社の社員をはじめ、市役所で「14歳の挑戦」を行っている戸出中学校2年の高畠壮佑さんと山本真聖さんら13人が参加。交通ルール
の順守を求めるチラシを配布した。
掲載日:2022/07/14
 
守れ!未来行き市民の足 万葉線開業20年 利用増へ工夫凝らす
 高岡、射水両市を結ぶ路面電車・万葉線が第三セクターによる運行を始めて4月1日で20年を迎えた。マイカー普及などによる存続の危機を乗り
越 え、市民の足として定着。低床車両導入などの取り組みが実を結び、利用者を増やしてきた。一方で近年はコロナ禍で乗客が急減し三セク化後最大
の 危機に直面。企画電車の運行などで需要をつかみ、次の20年へレールをつなごうと知恵を絞る。
 万葉線はかつて加越能鉄道が半世紀にわたって運行してきたが、マイカーの普及とともに利用者が減少。1998年にバスへの転換を表明すると、
住 民から「市民の足を守りたい」と声が上がり、議論の末、2002年4月1日に全国初の第三セクターによる路面電車として再スタートを切った。
 出前講座などで万葉線存続運動を行った市民団体「路面電車と都市の未来を考える会・高岡」(RACDA高岡)の小神哲夫副会長は、当時の議論
を振り返り「行政と住民 が一緒になって万葉線の意義を考えていた」と語る。
 三セク化後は運賃値下げや、低床車両「アイトラム」の導入など市民目線 の施策を相次ぎ実施。2002年度に利用客は100万人を突破した。高岡駅併設のクルン高岡1階に乗り入れた2014年度には、三セク化後最多の 125万人台を記録。小神副会長は「行政、事業者、住民が万葉線の
『新しい形』をつくろうと努力した結果だろう」と話す。
 ただ、ここ2年はコロナ禍による苦難に見舞われている。2020年度の利用者数は三セク化後最低の80万人台に。2021年度は回復傾向にあ
る が、コロナ前の水準には及ばない見通しだ。沿線の住民からは存続へ不安の声が上がる。高岡市商店街連盟の酒井敏行会長は「コミュニティバスが
廃止された高岡市にとって大事な公共交通。生活へ影響がなければいいが」と案じる。
 観光需要が落ち込む中、市民の利用を促すサービスに期待する声も。射水市庄西町の境信誓さんは将来的に免許返納を考えていると言い、 「万葉線を頼りにしている。値下げや需要に合わせた増便があれば、より生活の足として根付くのでは」と話す。
 同社は運賃収入の減少を受け、全面車体広告による収入の確保や、企画切符とグッズの販売に力を入れ新たな企画電車の運行も検討している。昨年
には、沿線2市の幼稚園と保育園を対象にした貸し切り電車を実験的に走らせた。
 4月1日に開かれた開業20周年記念号発車式で、万葉線の中村正治社長は「地域などの協力があって20周年を迎えられた。会社を次の20年、
5 0年へとつないでいきたい」と強調。同社の水上哲専務は「アフターコロナに向けてさまざまな企画に挑戦しサービス向上に努めたい」と話した。
北日本新聞から   掲載日:2022/04/03
 
万葉線開業20年を振り返る
  2002年4月1日、第3セクター万葉線開業した。運賃値下げが行われ、km単位から区間単位になり、高岡駅前−越ノ潟間が450円から350
円となった。まず最初に酷い状態だった路盤の改良工事が7月から始まった。2004年1月から 鉄道線区間の待合室改良開始が始まり、 庄川口駅が
最初に改良され、2019年7月の越ノ潟駅で完了した。
 2004年12月から軌道線区間の電停改良開始された。本丸会館前駅が最初に改良され、2010年の米島口駅を最後に完了した。その後、新吉久
駅が高岡衛生公社の協力で越ノ潟方面電停にホームが設置されている。
 車両は加越能鉄道から引き継いだ7050形、7060形、7070形で運行されていたが2004年1月に超低床車両アイトラム導入され1月17
日から運行を開始した。2009年3月23日にアイトラム5、6号車導入され、予定されていたアイトラムの導入が完了した。7050形、7060
形は順次廃車された。2004年8月に7071号、2005年9月に7073号、2021年10月に7075号が冷房化された。2009年12月に猫電車が7073号に移され、7072号は廃車となった。
 2012年9月3日のドラえもん誕生100年前にドラえもんトラムが誕生した。ドラえもんの誕生日は2112年9月3日という設定。
 2018年10月2日第3セクター化されて初の運賃値上げが行われ、高岡駅前−越ノ潟間が350円から400円となった。初乗り運賃は200円
に統一された。

万葉線開業20周年記念ヘッドマークのイメージ               7073と7071の行き違い 六渡寺駅                    2002/04/26


路盤改良工事  旭ヶ丘電停付近 2002/07/06               超低床車両アイトラム導入 アイトラム1号車    2004/01/17


鉄道線区間の待合室改良開始  庄川口駅 2004/02/01          軌道線区間の電停改良開始 本丸会館前駅  2004/12/30


アイトラム5、6号車導入             2009/03/23    庄川橋梁を渡るMLRV1005ドラえもんトラム越ノ潟行き 2012/09/26
掲載日:2022/04/03
 
万葉線開業20周年記念号の出発祝う
 万葉線株式会社の開業20周年記念号発車式が4月1日、高岡市荻布の万葉線株式会社本社で開かれた。関係者約20人が出席し、節目と記念ヘッド
マークを付けた車両の出発を祝った。
 中村正治社長は「会社を次の20年、50年とつないでいきたい」とあいさつし、国土交通省北陸信越運輸局の平井隆志局長や角田悠紀高岡市長、夏
野元志射水市長らとくす玉を割った。
 記念号は低床車両「アイトラム」MLRV1004で、アイトラムと旧型車両が描かれた記念ヘッドマークが付けられた。すみれ保育園(高岡市)の園児
約20人が乗車し、中村社長の「万葉線20周年ありがとう。出発進行」の発声で出発した。

万葉線本社前を出発する万葉線開業20周年記念号                  4月1日北日本新聞10頁に全面広告

万葉線開業20年を記念しヘッドマーク車両運行
 4月1日に開業20周年を迎えた路面電車・万葉線を運行する万葉線株式会社は、さまざまな記念事業を用意している。
 4月1日から10月31日まで、記念ヘッドマークを装飾した車両を運行する。ヘッドマークには、低床車両「アイトラム」と旧型車両が描かれてい
る。また、「ドラえもんトラム」を除く全車両のドア2カ所に記念ステッカーを貼って節目を祝うほか、数量限定の乗車券やハンドタオル、マグネット
を販売する。4月2、3の両日は、大人、子ども共に区間に関係なく、1乗車100円で運行した。
掲載日:2022/04/03
  
万葉線の電停 きれいに清掃
 万葉線の「電停クリーン作戦」が3月27日各電停で行われ、参加者37人が電車を乗り降りしながら、時刻表や手すりを拭いたり、タバコの吸い殻
やごみを拾ったりした。
 ボーイスカウト高岡第21団ボーイ隊と、路面電車と都市の未来を考える会・高岡(RACDA高岡)が毎年取り親んでいる。新湊高校の生徒会やボ
ランティア部の生徒も協力した。
 米島口電停前に集合し、3班に分かれて活動。志貴野中学前では、第21団のメンバーら11人が時刻表や看板をワイパーや雑巾で拭いたり、ほうき
でごみを掃いたりした。第21団の五十嵐日南さんは「きれいになって良かった。万葉線を気持ち良く利用してほしい」と話した。
掲載日:2022/04/03
  
定期券・回数券購入キャンペーン
 「万葉線に乗って豪華景品をゲット!」と題して、定期券・回数券購入キャンペーンを行う。期間は3月7日〜4月30日まで、期間中に万葉線の定
期券または回数券を購入した人が対象。
 景品は定期券購入では1等越中万葉牛ヒレステーキ1名、2等シロエビお刺身セット5名、3等万葉線タンブラー10名、4等ドラえもんトラムグッ
ズ20名、5等万葉線20周年グッズ30名、回数券購入では1等万葉線回数券1万円分1名、2等越中どらやきセット5名、3等万葉線20周年グッ
ズ10名に抽選でプレゼントされる。
 応募方法は万葉線車内、各販売所にある応募用紙に住所・電話番号・氏名など必要事項を記入して販売所窓口の係員に渡し、定期券または回数券を購
入する。

掲載日:2022/03/14
    
坂下町電停前の高岡「サカサカ」に初テナントのコーヒー店
 高岡市坂下町の空き店舗群を活用して整備中の複合施設「サカサカ」で2月5日、テナント第1号となるコーヒースタンドがオープンした。サカサカ
は万葉線坂下町電停の前にあり、高岡大仏や山町筋の近くに位置する。中心部のにぎわいづくりを目指し、不動産鑑定士らでつくる運営会社が昨年6月
整備計画を発表した。
 コーヒースタンド「COFFEE KIOSK ESORA(コーヒーキオスクエソラ)」は、同市の池田めぐみさんが店主を務め空気圧でコーヒー
を抽出する専用器具「エアロプレス」を使ったスペシャルティコーヒーと、手作りの焼き菓子などをテークアウトで販売する。池田さんは「コーヒーを
片手に高岡の町を散策してもらえたらうれしい」と話した。
 サカサカのテナントは7区画。2月時点で4店の出店が決まっている。3月までに食と雑貨のセレクトショップが開業。その後、教室、美容院が順次
オープンする。

坂下町高岡駅方面電停前の複合施設「サカサカ」                     コーヒーキオスクエソラの池田めぐみさん
掲載日:2022/03/14
    
新庄川橋の架け替え事業で万葉線道路併用橋
 新庄川橋の架け替え事業では、1938年に建設された旧橋(上流側)における支承部の腐食やコンクリートの強度等の低下は相当に進んでおり、19
73年に建設された新橋(下流側)も桁の腐食や床版の劣化が激しいことから、大規模な修繕工事を実施しても延命効果は小さいため、新庄川橋と万葉線
橋梁を一体的に架け替え、2m程度堤防を嵩上げすることにより、洪水を安全に流下させる上でのネック箇所の解消を図ることになっている。
 工期は2038年までとなっているが、堤防の嵩上げや国道415号線、万葉線の付け替えで立ち退きが発生するため、移転の受け皿として射水市庄
川本町の旧新湊中学校跡地の一部が充てられる。
 旧新湊中学校跡地は21,845uで、既に約10,000uで、市いきいき長寿館と認定こども園「新湊うみいろこども園」が開設されている。更に
東側約2,000uを 合同会社おはなけあ(高岡市姫野)に売却する予定で、小規模多機能型居宅介護事業所の開業は今秋を見込む。移転先などとして跡地の残り約9,700uが充てられる。

万葉線橋梁と新庄川橋の間に国道415号線と万葉線の併用橋が架けられる計画       初期計画の標準断面図(富山県から)
掲載日:2022/03/14