2024/01/08 更新        以前の記事 2022       2021    2020    2019    2018    2017    2016    2015  
 
年末年始ふりーきっぷ発売
 富山地方鉄道は、2023年12月10日から2024年1月9日まで、2600円(小学生1300円)で、地鉄全線1週間乗り放題の「年末年始
ふりーきっぷ」を発売した。
 2023年12月20日から2023年1月9日までの自分で選んだ連続7日間が乗り放題となる。バスは高速バス、受託運行バス、定期観光バス
などは利用できない。鉄道線の特急に乗車する場合は特急券を購入しなければならない。
 発売は、鉄道線各主要駅、富山地鉄乗車券センター、地鉄西町乗車券センター、市電富山駅8番ホーム(岩瀬方面)隣の路面電車等公共交通案内所、
各バス営業所、高岡駅万葉線待合室の加越能乗車券センター、あいの風とやま鉄道小杉駅前の富山呉西トラベル。鉄道線・市内電車の車内でも販売す
る(社内販売は売切れの場合もある)。


2023/12/30 掲載
  
20020形愛称 805通の中から「キャニオンエキスプレス」が選ばれた
 富山地方鉄道は11月3日、2022年から運行している車両「20020形」の愛称が「キャニオンエキスプレス」に決まったと発表した。
 20020形は西武鉄道で2019年まで特急列車「ニューレッドアロー号」として活躍。7両編成から3両編成に改造され、2両編成の車両が多
い富山地鉄では、特に朝のラッシュ時に重宝されている。
 この車両を広く愛してもらおうと、地鉄は愛称を公募したところ、北海道から沖縄まで全国から805通の応募があった。その中から黒部峡谷や富山
湾海底谷、雪の大谷などが連想できる「キャニオン(峡谷・谷)」が入った名前に決まった。
 3日に地方鉄道が富山市稲荷町の稲荷町車両基地で開いた「電車フェスティバル」で、車両に取り付けられたヘッドマーク風のラッピングシールを
除幕して発表された。竹沢準鉄軌道部長は「沿線の二大観光地は立山と黒部宇奈月。立山をPRするアルプスエキスプレスと一緒にアピールする車両
になれば」と話した。


10030形社内の中吊り広告                      稲荷町車両基地に並ぶキャニオンエキスプレスとアルプスエキスプレス
2023/12/30 掲載
  
上市町の富山地方鉄道新相ノ木駅 開業10周年祝う
 富山地方鉄道新相ノ木駅(富山県上市町上経田)の開業10周年記念イベントが12月20日、同駅などで行われ、地元の園児たちが記念乗車する
などして節目を祝い、町関係者らがさらなる利用促進への誓いを新たにした。
 相ノ木保育園の年長児18人が新相ノ木駅から9時52分発の列車に記念乗車し、中川行孝町長や堀田喜久男町議会議長、町のマスコットキャラク
ター「つるぎくん」、ニホンカモシカそっくりのゆるキャラ「三太(さんた)」と一緒に上市駅までの短い電車の旅を楽しんだ。
 上市駅では記念セレモニーが開かれ、町長があいさつし、議長が祝辞を述べた。園児が元気いっぱいに「10周年おめでとうございます」と祝福。
駅ピアノの伴奏で「線路は続くよどこまでも」を歌った。鉄道や新相ノ木駅にちなんだクイズも出され、園児は楽しい時間を過ごした。
 園児に特製キーホルダーや電車ステッカーがプレゼントされ、上市駅構内のパン屋「サンタ・エンジェル」のパンなども贈られた。
 2013年開業の新相ノ木駅は相ノ木駅−上市駅間(約2km)のほぼ中間に位置する無人駅。トイレ付き待合室やパークアンドライド用駐車場約
80台などを備える。町が国の補助を受けて整備した。21日からは町役場企画課と上市駅の町観光協会で、限定100セットの記念切手の販売を始めた。84円と63円の切手を1枚ずつ台紙に組み合わせた。台紙は2種類あり、切手は計4種類。それぞれ「キャニオンエクスプレス」「ダイコン電車」「カターレ電車」「とやまもよう電車」の車両の写真となっている。台紙2種類をセットにして販売。価格は600円で、100セットを用意した。台紙には剱岳など沿線の景色と鉄道がコラボレーションした写真を載せた。
  
富山市の消防団入団、8月下旬以降4倍 路面電車「ファイトラム」効果?
 消防車をイメージした路面電車「ファイトラム」の運行が始まった8月下旬以降、富山市の消防団の入団者数が前年同時期の約4倍に増えた。瀧田
氏の質問に武隈俊彦危機管理局長が答えた。
 ファイトラムは富山市消防局と富山地方鉄道が、団員の確保を目的に運行。車両には「消防団員募集」の文字と市消防団のウェブサイトにつながる
QRコードが記されている。
 富山市消防局によると、9月1日から12月1日までの入団者数は17人で、前年同期の4人から大幅に増加したという。


稲荷町車電鉄富山エスタ前を発車した8002ファイトラム         消防団員募集のページに繋がるQRコード
  
富山地鉄バスの2営業所、富山駅北に集約 双代町の跡地は売却
 富山地方鉄道は11月27日付で、富山自動車営業所(富山市双代町)を、富山駅北の西部自動車営業所(同市牛島本町)に統合した。営業所2カ
所を富山駅北に集約し、業務の効率化を図る。旧富山自動車営業所の土地は、澤田グループ(魚津市)の不動産管理業、アイエヌエルに売却した。
 統合後の名称は「富山自動車営業所」を引き継ぐ。バスの保有台数は112台増の159台。敷地が手狭になったため、旧西部自動車営業所の道路
向かいにあったパチンコ店「ノースランド(澤田グループ)」の跡地を購入した。面積は1.8倍の1万6670平方メートル。


富山自動車営業所に名称が変わる西部自動車営業所         旧西郡営業所担当の10系統バス 営業所を示す文字が[せ]から[と]に変わった
  
宇奈月温泉駅開設100周年で、記念式典
 富山地方鉄道の宇奈月温泉駅の開設から11月21日で100周年を迎え、記念式典が駅前広場で開かれた。関係者や住民約50人が、沿線の発展
に大きな役割を果たしてきた鉄道と駅に感謝した。
 黒部市街から宇奈月温泉への鉄道は、黒部川の電源開発に伴う資材運搬などのために敷設された。当時の名は「黒部鉄道」で、下立駅から桃原駅
(現在の宇奈月温泉駅)間は1923(大正12)年11月21日に開通し、同駅と区間の音沢、内山、愛本の各駅が設けられた。宇奈月温泉も工事
従事者の保養などを目的に同じ年に開湯している。
 式典は宇奈月温泉開湯100周年事業実行委員会と宇奈月温泉、内山、音沢の各自治振興会が開催。主催者を代表し、同実行委の河田稔実行委員長
が「鉄道ができて多くの人が温泉を訪れられるようになった。歴史の重みを感じながら節目を祝いたい」とあいさつした。
 富山地方鉄道の中田邦彦社長があいさつし、黒部市の上坂展弘副市長、古川和幸市議が祝辞を述べた。アトラクションとして、今年地域で復活させ
た踊り「宇奈月温泉小唄」と「黒部音頭」を住民らが披露した。
 節目を記念し、宇奈月温泉駅では地鉄や温泉の歴史を紹介した写真とパネルを展示している。100周年の4駅には記念ののぼりを立てている。


富山地方鉄道宇奈月温泉駅 2018/10/16                黒部鉄道桃原駅 AIカラー化      元画像:黒部市歴史民俗資料館
  
富山駅連続立体交差、「南北一体」完成2030年度 事業費100億円増
 富山駅付近の連続立体交差事業(以後:連続立交)で、富山地方鉄道の高架化工事の完成遅れに伴い、駅南北をつなぐ二つの道路の整備完了が203
0年度となる見通しとなった。2道路はいずれも富山市道で、マリエとやま東側での富山駅横断東線の新設と、富山中央署沿いの堀川線の平面化・拡幅。完成によって、鉄路による分断解消を図り「南北一体のまちづくり」を目指す富山駅の連続立交事業は完了する。
 連続立交は、地鉄高架化を含めて総事業費約520億円で、資材価格や人件費の上昇で19年度時の見込みより約100億円多くなる。10月16
日に県庁で開かれた公共事業評価委員会で、県土木部が説明した。
 地鉄の高架化工事を巡っては、県が6月の県議会で「完成は想定より2年遅れの2028年度になる」と表明した。資材価格の上昇や工法の見直し
などが要因。完成後に高架下に新設・拡幅する2道路の整備スケジュールを富山市が再検討したところ、高架化後2年を要することが分かったという。
 新設する富山駅横断東線は、マリエとやま東側と北陸電力周辺を結び、片側1車線を予定。堀川線は、現在はアンダーパスだが、平面化して片側2
車線道路とする。市によると、いずれも2030年度までに完了する。無電柱化などの周辺工事は続ける。
 連続立交は、北陸新幹線が富山駅に高架で乗り入れるのに合わせ、在来線や富山地鉄も高架化し、高架下に路面電車や道路を通す事業。2005年
に国の事業認可を受けた。道路は、富山駅横断東線と堀川線を含む四つの都市計画道路を新設・拡充する。このうち駅西側の富山駅南北線は2021
年11月に完成し、牛島蜷川線は2023年度中の完成を見込む。関連事業として、富山市千歳町の地鉄ゴールデンボウル沿いの区画街路第503号
線も拡幅する。
  
富山地方鉄道の通学定期料金、あいの風とやま鉄道の1.8倍 格差是正を議論 
 あいの風とやま鉄道より富山地方鉄道の方が通学定期券の料金が高い現状を踏まえ、県は今後、地域交通戦略会議の部会で負担軽減の在り方を議論
していく。県議会本会議で川上氏の一般質問に田中達也交通政策局長が答えた。
 高校生の通学定期(6カ月)では、あいの風とやま鉄道の富山−滑川間は3万9180円なのに対し、富山地鉄の電鉄富山−中滑川間は7万330
0円となっている。ほぼ同じ距離だが、1.8倍の開きがある。
 川上氏は「県内の各市町村が拠出する経営安定基金に支えられるあいの風鉄道と、民間の富山地鉄を利用する高校生で大きな格差がある」と指摘。
県が年度内の策定を目指す公共交通の新たな戦略にその解消を盛り込むべきと求めた。
 8月の地域交通戦略会議の鉄軌道サービス部会では「教育を支える通学定期は、現状は事業者が割引費用を負担しているが、教育分野を含む行政が
支援する仕組みを考える必要がある」といった意見があった。
 交通政策局長は「通学定期の料金や割引率は、法令などの明確なルールはなく、個々の事業者の判断」と説明した上で「通学定期の差について考え
る必要がある。今後の部会で議論していきたい」と述べた。
 城端・氷見線があいの風とやま鉄道に移管される前に、行政の補助などで格差を是正する必要がある。
  
秋の「くろワン」スタート 黒部で出発式、公共交通500円で乗り放題
 「黒部ワンコイン・フリーきっぷ『楽駅停車の旅』2023秋」(くろワンきっぷ)が9月16日、黒部市内でスタートした。10月29日までの
土日曜と祝日、11月26日に市内公共交通の指定区間が1日500円で乗り放題となる。初日は富山地方鉄道電鉄黒部駅で出発式が行われた。
 公共交通の利用を促そうと、NPO法人黒部まちづくり協議会と黒部ワンコイン・プロジェクト、富山地鉄が毎年春と秋に企画し34回目を迎えた。
 出発式では、同プロジェクトの菅野寛二リーダーと富山地鉄の竹澤準鉄軌道部長、武隈義一市長があいさつ。ことしは旧黒部鉄道(富山地鉄の市内
区間)の全線開通100周年に当たることに触れ、「ぜひ電車やバスで出かけてほしい」などと述べた。愛児保育園の年中児19人が「くろワン体操」
の歌と踊りを披露。ホームで同園の双子、佐々木芽依ちゃんと陸人ちゃんが運転士に花束を贈った。
 乗り放題となるのは、富山地鉄の市内区間(電鉄石田−宇奈月温泉)と路線バスの新幹線市街地線、生地循環線。期間中は公共交通を生かしたイベ
ントも企画する。北日本新聞社共催。黒部市民や黒部市へ通学、通学している人向けのイベントとなっている。


2023秋のくろワンきっぷの案内  画像:黒部ワンコインプロジェクト          運転士に花束を贈る子供たち 画像:北日本新聞
  
市内電車で乾杯 富山市でビア電始まる
 富山地方鉄道の市内電車を貸し切り、生ビールを楽しむ「ちてつビア電 レトロ電車」の運行が7月30日、富山市内で始まった。乗客たちは電車
に揺られながら冷えたビールで喉を潤した。
 ビア電は富山地鉄がアサヒビール北陸支社の協力で5年ぶりに運行した。9月10日までの金土日曜と祝日の計34回走る。富山駅の乗り場を金曜
は18時1分、土日曜と祝日は18時7分に出発する。約1時間半で富山市内を回り、富山駅に戻る。
 一日1回貸し切りで、乗車は24人まで。生ビールが飲み放題のほか、焼酎やソフトドリンクなどもある。料金は6万6千円。
  
高速バス需要、県内戻らず オンライン普及で出張減
 新型コロナウイルス下で制限された社会活動が再開する中、県内の高速バス需要が戻っていない。県内各事業者の乗客数はコロナ前の5〜7割にと
どまっている。オンラインの普及で出張するビジネス客の利用が減ったことなどが背景にあるという。一方、インバウンド(訪日客)を含めた観光需
要は高まりつつあり、事業者は今後の利用増に期待する。
 「乗り換えがなく、大きな荷物があっても楽なので便利」。今月上旬、富山市の自営業の女性は富山駅前から名古屋行きの高速バスに乗り込んだ。
仕事で月1回利用しているが、コロナ下で大幅に減便された時期はスケジュールを組むのに苦労したという。
 コロナ下で乗客が減少した高速バス事業者は、運休や減便を余儀なくされ、苦境に陥った。県内の関係者によると、高速バスは車内の空気が約5分
に1回入れ替わるものの「『密室だから感染対策上良くない』という誤ったイメージを持たれた」という。また、路線バスのため予約がないからとい
って運休することはできず「燃料費が高騰する中、乗客がゼロでも走らせていた」と振り返る。
 北陸信越運輸局によると、県内に本社を置く事業者の高速バスの運行便数は、今年4月末時点で1日当たり計98便。コロナ流行当初の2020年
3月と比べると66%にとどまっている。
 富山地方鉄道(富山市桜町)は共同運行を含め、東京、京都・大阪、名古屋など県外6路線を減便して運行している。22年度にコロナ前の4割だ
った乗客数は現在5割まで回復したが、有馬征志自動車部副部長は「高速バスの需要回復は緩やかで、採算が何とか取れる状況。利用が増えれば、元
の運行便数に戻したい」と話す。
 県内の事業者が主力にするのは名古屋線だ。JRと比べ、運賃が安い上、所要時間はあまり変わらないことから県民ニーズが高い。
 加越能バス(高岡市江尻)は全体の乗客数が7割に回復した。名古屋線は社会活動の再開に伴い、休日にイベントやライブに出かける若者らが増え、
ゴールデンウイークは満席になる便もあった。しかし、平日は客の戻りが鈍い。笹井和悟自動車部営業課次長はビジネス客の減少を理由に挙げ「オン
ラインの普及で出張がなくなった。コロナ前に完全に戻ることはないのではないか」とみる。
 各社が同じような状況の中、注視するのが観光客の動向だ。インバウンドは岐阜県高山市と白川郷、金沢市の人気が高く、富山地鉄は4月、高山線
を3年ぶりに再開した。石川県では、4月末の高速バス運行便数が1日当たり計64便と20年3月比86%まで回復。北陸信越運輸局によると、観
光需要の増加が要因という。
 名古屋線と高山線を運行するイルカ交通(高岡市二塚)の西村寛社長は「県内への観光客や帰省客が増えることを期待したい」と語った。

富山地方鉄道高速バス名古屋線                     名鉄観光高速バス富山線


加越能バス高速バス名古屋線                      名鉄バス高速バス富山線
  
駅のスタンプ スマホで収集 富山地方鉄道3駅、電子タグ導入
 富山地方鉄道が、県内の三つの駅に置いているスタンプの図柄を電子化し、専用アプリ「エキタグ」で収集できるサービスを始めた。駅構内の電子
タグにスマートフォンをかざすと図柄を取り込め、スマホで撮影した写真に貼り付けて交流サイト(SNS)に投稿することもできる。
 ジェイアール東日本企画(東京)が新型コロナウイルス下の非接触ニーズに対応しようと、今年3月からサービスを始めた。実物の取っ手に触れる
ことなく、スマホで各駅のスタンプをコレクションできる。
 富山地鉄は電鉄富山、立山、宇奈月温泉の3駅にスタンプを置いている。4月28日から3駅に「エキタグ」に対応した電子タグを導入。富山城や
ライチョウなど各駅にちなんだ図柄がデザインされている。
 エキタグは、銚子電気鉄道(千葉)、りんかい線(東京)、山形鉄道など8事業者18路線54駅で導入されている。北陸では富山地鉄が初めて取
り入れた。
 富山地鉄鉄軌道部営業課の山崎綾大は「デジタルとアナログの両方で駅のスタンプを楽しめる。旅の思い出になればうれしい」と話す。タグの設置
は2024年3月31日まで。

改札内に設置された「エキタグ」に対応する電子タグ  電鉄富山駅のデジタルと設置スタンプ
  
路線バスで「顔パス」決済 富山地鉄と丸紅、黒部の生地循環線で実証実験
 富山地方鉄道と総合商社の丸紅(東京)は1日、黒部市内を運行する路線バスで、顔認証技術を使った運賃決済の実証実験を始めた。ICカードな
ど他の決済手段と比べた利便性や欠点を検証し、実用化の可能性を探る。実証実験は8月31日まで。
 顔認証決済では現金やクレジットカードを持ち歩く必要がなく、両手に荷物を持っている場合もスムーズに支払いできる。事業者側も釣り銭やカー
ドリーダーを用意せずに済む。
 実証実験は、あいの風とやま鉄道の黒部駅や生地駅、道の駅KOKOくろべなどを回る生地循環線で行う。
 運賃は一律200円。顔認証決済を利用するには、専用アプリに顔写真を登録し、お金をチャージしておく必要がある。降車時に車内のタブレット
端末に顔を近づけると、アプリから運賃が引き落とされる仕組みだ。
 丸紅は新型コロナウイルスによる非接触ニーズの高まりを受け、顔認証技術と決済機能を組み合わせたシステムの構築を進めている。


顔認証でバスの運賃を支払う際のイメージ         画像:北日本新聞から              顔認証決済のイメージ      画像:IoTNEWSから
  
富山地鉄、経常赤字 2023年3月期、コロナ響き4年連続
 富山地方鉄道が5月26日発表した2023年3月期決算(単体)は、新型コロナウイルスの影響による利用低迷や燃料価格高騰が響き経常ベース
で4年連続の赤字となった。県や沿線自治体からの助成金などにより純損益は2年連続の黒字。
 営業収益は前年比19%増の55億8345万円、経常損失は3億4070万円(前年・9億6190万円)、純利益は75%減の9637万円だ
った。配当は4年連続で無配とする。
 旅客人員は鉄道が3%増の494万1千人、軌道(路面電車)が13%増の704万3千人。バスは乗り合いが4%増の512万5千人、高速が3
2%増の14万2千人、貸し切りが54%増の16万1千人だった。
 コロナ前の19年3月期と比べて軌道は96%とほぼ回復したが、鉄道と乗り合いバスは8割、高速・貸し切りバスは4割にとどまった。
 連結は営業収益が23%増の91億528万円、経常損失が4億5752万円(同・15億4420万円)、純利益が66%減の4億7533万円
だった。

 加越能バス(高岡市江尻)も5月26日に2023年3月期決算を発表した。 経常損益が赤字だった一方、バス欠損補助金やコロナ支援の補助金な
どにより特別利益4億8045万円を計上したことで2年連続の最終黒字を確保した。
 営業収益は前年比23%増の12億7244万円、経常損失は2億7518万円(前年・4億226万円)、純利益は40%減の2億423万円だ
った。
 事業別の営業収益は、乗り合いバスが22%増の4億9674万円、貸し切りバスが83%増の3億3157万円、保険代理や不動産などの付帯事
業が1%減の4億4412万円。
  
電鉄富山駅のデザイン、開放的で富山らしく
 富山駅付近の連続立体交差事業で、富山地方鉄道は5月17日、高架駅として新設する電鉄富山駅のデザインを発表した。「富山らしさを感じる」
「明るく開放的」「快適で心地よい」がコンセプトで、富山駅など周囲の建物との調和も考慮した。20日に高架化工事の起工式を行う。
 富山地方鉄道によると、建設コンサルタント業の「ジェイアール西日本コンサルタンツ」(大阪)が示した複数案の中から、県と市、同社でつくる
検討会が選んだ。市景観デザイン審査部会の助言も踏まえた。駅舎内の壁は、立山の雪景色をイメージし、白色とする。
 高架駅の下は、桜町と牛島町をつなぐ道路「富山駅横断東線」が通る予定。
高架化工事は2026年度中の完成を目指すが、資材納入の遅れなどにより、工期が見直される可能性があるという。同社によると、電鉄富山駅の1
日当たりの乗降客数は富山地鉄本線の各駅の中で最も多く、新型コロナ流行前の2019年度は約8千人だった。


富山駅横断東線の上に建設される電鉄富山駅の完成イメージ  駅舎から縦列使用想定の125mの長いホームが続く 完成イメージ  画像:富山地方鉄道
稲荷町駅側のホームは改札からの距離が長くなるため、ラッシュ時のみ使用を想定か
  
「パト電車」出発進行 地鉄・県警、交通安全・防犯意識高める
 富山地方鉄道と富山県警は4月18日、パトカーをイメージしたラッピングを施した路面電車「パト電車」の運行を始めた。富山市中心部を走る姿
を利用者や住民らに見てもらい、交通安全や防犯の意識を高めてもらうのが狙い。富山地鉄と県警のラッピング企画は初めて。
 1車両にラッピングをし、交通安全の川柳などを掲げた。南富山駅と富山駅、富山大学前駅をつなぐ区間で1年間走らせる。
 この日は同市大町の南富山駅で出発式があり、富山地鉄の辻川徹社長や、石井敬千(のりかず)県警本部長、運行に協力した県自動車販売店協会の
品川祐一郎会長と県交通安全協会の翠田章男会長も出席した。石井本部長は「夏でも冬でも時間通りに運行する電車は、警察官の活動と重なる。パト
電車を見て、県民の交通安全意識が高まってほしい」とあいさつした。式後は、地元の堀川幼稚園の年長児56人が富山駅に向かった。

CiCビル側からパト電車                        富山駅側からパト電車    
  
富山地方鉄道の観光用特急再開へ 4月ダイヤ改正
 富山地方鉄道は4月15日付で鉄道線のダイヤを改正する。電鉄富山駅と立山駅などを結ぶ観光用特急列車の定期便としての運行を再開する。新型
コロナウイルスの影響で2022年度は取りやめていたが、観光需要の回帰を見込み再開を決めた。電鉄富山駅−寺田駅間では、日中の時間帯におお
むね20分間隔の「パターンダイヤ」を導入する。県内の鉄道線では万葉線の鉄道線区間以外では導入事例がない。
 観光用特急は、電鉄富山駅−立山駅間で平日、休日ともに特急「立山」1日1往復、宇奈月温泉−立山間は休日のみ「アルプス」が上り1本で、2
区間とも11月30日までの運行。電鉄黒部駅−宇奈月温泉駅間は、特急「くろべ」を平日は上下各1本、休日は下り3本、上り2本を通年運行する。
 電鉄富山駅−寺田駅間では、平日、休日ともに10時〜15時の昼間帯は、上下線をおおむね20分間隔で運行する。毎時同じ時刻に発車する、パ
ターンダイヤ化推進の一環という。パターンダイヤは有効な利便性向上策の一つとされており、あいの風とやま鉄道も導入を目指している。大都市圏
では、殆どの路線がパターンダイヤで運行されている。

立山線田添駅を通過する宇奈月温泉発立山行きのアルプスエキスプレス      宇奈月温泉駅を発車したエリア特急くろべ
2023/03/28 掲載
  
旧黒部鉄道100周年祝う ワンコイン・フリーきっぷ開始
 「黒部ワンコイン・フリーきっぷ『楽駅停車の旅』2023春」(くろワンきっぷ)が3月11日、黒部市内でスタートし、電鉄黒部駅で出発式が行われた。公共交通の指定区間が500円で1日乗り放題になる取り組み。ことしは旧黒部鉄道(富山地方鉄道の市内区間)の全線開業100周年に当たり、初日から節目を祝うイベントが実施された。 
 黒部ワンコイン・プロジェクトと富山地方鉄道が毎年春と秋に実施しており、今回で33回目を迎えた。
 出発式では同プロジェクトの菅野寛二リーダーが「沿線に活気が出るよう公共交通を利用してほしい」とあいさつ。くろワンサポーター「おさんぽくらぶ」の約60人がくろワン体操を披露した。桜井小学校4年の安田理彩さん、古川瑞樹さん、松岡祐理さんが磯部浩一運転士に花束を贈った。
 旧黒部鉄道は、主に電源開発の資材運搬のため敷設された。宇奈月温泉開湯と同時期の1923年11月に全線が開通した。
 出発式後に「歩く鐵道展」と題したイベントを実施。黒部ワンコイン・プロジェクトのメンバー、輿水一紀さんの案内で音沢駅から宇奈月温泉駅までの約4kmを歩き、100年前からある高滝橋梁や宇奈月谷橋梁などを見て回った。
 電鉄黒部駅では5月7日まで開かれる「黒部の鉄道史 パネル展示会」が始まった。

2023春のくろワンきっぷの案内  画像:黒部ワンコインプロジェクト          磯部運転士に花束を贈る子供たち 画像:北日本新聞 
2023/03/28 掲載
  
電鉄富山駅高架化工事で乗り場変更
 工事は富山地鉄本線のターミナル、電鉄富山駅及び付近の約1.0kmを高架化するもので2019年11月に事業認可を受けている。現在は高架橋
の建設スペースを確保するため、南側に仮線を設ける工事が完了し、高架橋の工事が始まっている。
 電鉄富山駅仮線の2線となり、改札側を1、2番線、稲荷町駅側を3、4番線とする縦列ホームでラッシュ時間帯に対応している。日中は1、2番
線使用となっている。高架化後2線のため同じ配置と思われる。
 交差道路である都市計画道路牛島蜷川線、都市計画道路堀川線、市道区画街路第503号線の拡幅工事も実施する。市道区画街路第503号線の拡
幅工事は2023年3月27日から始まり全面通行止めとなり迂回路が指定されている。

電鉄富山駅の仮線 日中は1、2番線使用で対応できているようだ        稲荷町駅側の3、4番線

地鉄の立体交差が終わっていないのでアンダークロスの堀川線         堀川線拡幅後イメージ図(南から北方向を臨む)
2023/03/28 掲載
  
富山空港線(直行バス)でクレジットタッチ決済が利用可能に
  2023年3月20日より富山空港線(直行バス)でクレジットタッチ決済の利用が可能になった。
 Visa・JCBのタッチ決済に対応したカード・スマートフォン等を降車時に降車口に設置してあるタッチ決済用の専用リーダーにかざすだけで
空港直行バスを利用できる。乗車時のタッチは不要。
 富山空港線直行バス以外の富山県広域消防防災センター線、総合運動公園線など各バス停に停車する富山空港経由のバスでは利用できない。

                         
富山空港線(直行バス)
2023/03/28 掲載
  
宇奈月温泉開湯100周年記念の電車運行 記念切符も発売
 富山地方鉄道は2月13日、黒部市の宇奈月温泉開湯100周年を記念したラッピング電車の運行を始めた。宇奈月温泉街の風景や黒部峡谷の観光
名所などの写真を車両側面に配置。当面の間、本線と立山線、不二越・上滝線の全区間を交代しながら走らせる。

 2両編成で、車両の使われていないドア部分(高さ約180cm、幅約160cm)を活用し、宇奈月温泉街の雪上花火大会や紅葉の山肌に囲まれ
た黒薙温泉、温泉街の景色などを撮影した8種類の写真を17480形のMc17481+Mc17482にラッピングした。

 開湯100周年記念バージョンの「鉄道線・市内電車1日フリーきっぷ」の発売もこの日、始まった。指定の施設で提示すると特典が受けられ3月
までの冬季券は1000枚限定、4〜11月の夏季券は3000枚限定となる。

越中三郷−越中荏原間を走る宇奈月温泉100周年記念ラッピング電車            車外             車内
2023/03/28 掲載
  
観光列車ダブルデッカーエキスプレス運行再開
 富山地方鉄道は2月10日から観光列車ダブルデッカーエキスプレス10030形の10033+31+10034編成(3両練成)が運用再開した。
2月9日の試運転を行い8ヵ月ぶりに運用を再開。当面は不二越・上滝線の平日ダイヤの電鉄富山発6時36分発605列車と折り返しの岩峅寺発7
時23分発608列車でのみ運行予定。608列車の電鉄富山着は8時2分。

観光列車ダブルデッカーエキスプレス10030形の10033+31+10034編成      越中荏原−越中三郷間
2023/03/28 掲載
  
カターレトレインに「2023シーズン展示」
 富山地方鉄道は2月4日からカターレトレイン「2023シーズン展示」の運行を開始した。14760形の14767+14768編成(2両練
成)の車内全休を活用し、カターレ富山に関する展示空間とし運行する。
 カターレ富山2023シーズンに関する展示をはじめ、チームとサポーター・利用者間のコミュニケーションツールとして選手・フロントやサポー
ター・利用者からのメッセージや情報交換の場として活用する。運行は本線、立山線、不二越・上滝線の全線。

電鉄富山駅を発車したカターレトレイン普通宇奈月温泉行き         カターレトレイン中吊り         
  
「立山黒部ジオパーク写真ギャラリー号」運行 
 富山地方鉄道は1月28日から2月21日までの期間限定で「立山黒部ジオパーク写真ギャラリー号」を全区間で運行した。立山黒部ジオパークの
ロゴをヘッドマークにし、列車内には貴重な地質や地形が織りなす景観の写真が飾られている。期間中、同パークの魅力を伝える「ジオガイド」によ
る解説イベントも企画しており、多くの人に乗車を楽しんでもらう。 
 ジオパークは地球や大地を意味する「ジオ」と公園の「パーク」を組み合わせた言葉。富山地鉄の路線は、立山黒部ジオパークを構成する県東部の
市町村を走る。沿線には貴重な地質や地形など同パークの見どころである「ジオサイト」もある。写真ギャラリー号はジオパークを身近に感じてもら
おうと、富山地鉄と立山黒部ジオパーク協会が初めて企画した。
 車両内の中づりや窓の上に、大場の大転石(富山市)や、 竹内天神堂古墳(舟橋村)、室堂平(立山町)などを捉えた16種類のジオサイトの写真
を展示。大きさや歴史などの説明を添え、中には最寄りの駅も示している。

立山黒部ジオパークの写真が並ぶ列車内           画像:北日本新聞から    14760形14763号のジオパークロゴのヘッドマーク
2023/03/28 掲載
  
宇奈月温泉ギャラリー号 出発進行! 開湯100周年記念
  黒部市の宇奈月温泉開湯100周年を記念して、富山地方鉄道は2月1日、宇奈月温泉のロゴをヘッドマークにした記念写真ギャラリー号の2月
26日まで鉄道線の全区間で運行した。
 写真ギャラリー号は2両編成。車内の中づりや窓の上に、昭和初期の黒部鉄道宇奈月駅(現・富山地鉄宇奈月温泉駅)などの写真が掲示され、宇奈
月温泉にまつわる歴史を紹介する文章も添えられている。

車両はMc14771+Mc14772                              記念写真の展示例
2023/03/28 掲載
  
2023年3月廃止の地鉄バス2路線 魚津市が運行引き継ぎ
 
魚津市は2023年度、魚津市民バスに2路線を追加する。今年3月で廃止される富山地方鉄道の路線バス「東蔵線」「黒沢・大沢線」の運行を引
き継ぎ、地域住民の移動の足を守るとともに利便性の向上を目指す。
 既存の地鉄バス2路線は赤字営業が続いており、1日当たりの平均乗客数は東蔵線52人、黒沢・大沢線39人。市は本年度、赤字補てんのため地
鉄に対して1965万円を支援する。
 廃止路線に代わる市民バスは、それぞれ「片貝ルート」「西布施ルート」と称し、来年4月に運行を始める。沿線住民から寄せられた要望を反映し、ダイヤやバス停を設定。片貝ルートはショッピングセンター内で乗降できるほか、予約運行のみだった町内も経由する。西布施ルートは新たに富山労
災病院に乗り入れ、便数は10から12に増える。
 運賃支払いは現金や回数券に加え、QRコード決済サービス「ペイペイ」も取り扱う。事業費は、バス停の設置や車内音声案内システムの更新など
321万円。当面は市民バスの余剰車を使用し、来年度中に29人乗りか14人乗りの新車両を導入する予定。

あいの風とやま鉄道魚津駅前に到着する富山地鉄バス大沢線       魚津市民バス あいの風とやま鉄道魚津駅前  日野ポンチョ29人乗り
2023/01/17 掲載